「こちら、田んぼなんですけど、茶色に染まっていますね。うわーこれはひどい…」

収穫を目前に控えるブランド米「コシヒカリ」に、今、異変が起きています。

茶色くなった田んぼ
茶色くなった田んぼ
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9月4日、めざまし8は、米の生産量が日本一である新潟県に向かい、田んぼが茶色に染まってしまった原因を取材しました。

新潟市北区の阿賀野川沿いでは、美しい緑色の田んぼが広がる一方で、多くの田んぼが茶色く変色しているのが見てとれます。

(収穫を控えた美しい稲)
(収穫を控えた美しい稲)
(道路の反対側では茶色の風景が広がる)
(道路の反対側では茶色の風景が広がる)

被害に遭った米農家:
初めてなんだもんだから“塩害”というのが、これ(茶色のところ)が全部。

ディレクター:
赤くなってるところ? 茶色くなっていますね。

被害に遭った米農家:
縦にね。

(被害に遭った米農家)
(被害に遭った米農家)

なぜ、稲が茶色に?被害の原因は塩害か?

稲が枯れた理由は「塩害」とみられており、この地で50年以上米を栽培する農家も驚きを隠せません。

被害に遭った米農家:
8月11日か12日に、阿賀野川の水を田んぼに入れているわけだけど、その水をなめたんだけど、ものすごくしょっぱい。ものすごいよ。

(被害に遭った米農家)
(被害に遭った米農家)

この周辺では、約11ヘクタールにわたって収穫直前の稲が枯れる被害が出ています。

原因とみられるのは今年の猛暑。新潟市では、7月下旬以降雨がほとんど降らず、深刻な水不足になっていたといいます。

被害が出た田んぼは、河口から約10km離れた、河川敷にあるのですが・・・、

(河口から田んぼまで約10km)
(河口から田んぼまで約10km)

渇水で川の水位が下がったことで海水が逆流し、農業用水に塩水が混ざったとみられます。

(海水の逆流イメージ)
(海水の逆流イメージ)

――やはり今年は、暑かったですか?
被害に遭った米農家:

暑い暑い、だから(米に)毎日水をかけてた。

――かけてた水がもしかしたら?
被害に遭った米農家:

だめだった…。

茶色の米を手に取ってみると、もみの中に米粒が入っていません。

茶色の米は、米粒が実っているように見えますが、よく見ると枯れているものがほとんど。

中には、米粒が入っているものもありますが、食べてみると・・・、

(茶色の稲のなかの米粒)
(茶色の稲のなかの米粒)

ディレクター:
あ、(塩味が)します。塩辛いまではいかないですけど、初めて口に入れた瞬間に塩っぽい味がしましたね。

田んぼの塩害について専門家は?

田んぼの調査に入った新潟大学農学部の三ツ井敏明教授にこの状況について伺いました。

(新潟大学農学部 三ツ井敏明教授)
(新潟大学農学部 三ツ井敏明教授)

新潟大学農学部 三ツ井敏明教授:
一般的なその水田土壌に比べて、7倍ぐらい塩分が塩分濃度が高いということを確認しています。植物の成長を抑えてしまうぐらいの悪影響があります。

三ツ井教授によると、鉄分が酸化し、稲が赤茶色になっている可能性があるといいます。

その上、被害は長期化する恐れも。問題解決には、雨や雪などで土壌に含まれる塩分が流れていくのを待つしかないというのです。

ディレクター:
塩ってこんなにことになっちゃうんですね。

被害に遭った米農家:
初めてだからわからないって。
(めざまし8 9月5日放送)