今、東京・渋谷区で大きな問題になっている “路上飲み”の増加。

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渋谷区によると、路上飲酒に対する注意が、多い時には1日200件近くにのぼる日もあるといいます。

中でも目立つのが外国人によるもので、渋谷区の調査によると、外国籍とみられる路上飲酒の人数が、日本人の約4倍となる日も。

パトロールする警備員ら
パトロールする警備員ら

こうした状況に、渋谷区では9月1日からパトロールを実施。迷惑な路上飲みの対策に乗り出しました。
「めざまし8」はパトロールに密着取材、“迷惑路上飲み”の実態に迫りました。

店前でたむろし、ごみはそのまま

9月2日、午前3時過ぎ。迷惑路上飲みのパトロールをする警備員に、「注意して出して」と声をかけてきたのは、飲食店のオーナーだという男性です。

飲食店オーナー:
このお店なんですけど、さっきから出ていってくださいって言っているんですけど。
ここで寝ちゃダメですよって言っているんですけど、出てくれないんですよ。うちのお客さんでもないんで。

店の前にいたのは、路上で寝ていた2人組。男性と警備員が近づくと、2人組はいつのまにかいなくなってしまいました。

飲食店オーナー:
日本人の若い方がけっこう、モラル・節度を持ってくれないというか。ここら辺で若い子たちがたむろって、みんなで円陣組んで座り込んで飲んでたりとか。ちょっとモラルがおかしいですよね、渋谷って最近。

男性によると、路上飲みをしていた2人組が、そのまま路上で寝始めたといいます。
店の前には、路上飲みをしていた人が置いていった、ペットボトルや空になった缶ビールなどが散乱していました。

飲食店オーナー:
ビルの敷地内で、路上飲みの方々が飲んだもの(ごみ)などを、うちのスタッフが定期的に見回りをして片付けている。

放置された空き缶やペットボトルなどは、飲食店のスタッフが、後でまとめてゴミに出しているといいます。

“ポイ捨て”に“テント破壊” 声かけにしらを切る場面も

渋谷区で始まったパトロール。注意の対象となるのは、路上飲酒やそれに伴う通行の妨げ。さらに、ゴミのポイ捨てや騒音など、周辺の店や近隣住民の生活を阻害するとみられる行為です。

警備員:
こんばんは、渋谷区のパトロール隊の者でして、いまですね、路上飲酒者に対して声がけさせていただいているんですね。すみません、ご協力お願いします。

パトロールをする中で見られるのは、あちこちにポイ捨てされた大量のゴミ。

飲んでいた缶を道路にポイ捨てし、蹴る
飲んでいた缶を道路にポイ捨てし、蹴る

さらに、取材班が目撃したのは、4人組の路上飲みのグループ。その中の一人が飲み終わった空き缶を蹴飛ばし、捨てたままにしています。
声をかけてみると…。

取材スタッフ:
さっき缶捨てていませんでしたか?

4人組の路上飲みグループ:
あ、俺らっすか?いやそんなはずはないです。そんなことしてない。

否定する4人組。「捨てるのを見た」とスタッフが告げると、驚きの答えが返ってきました。

4人組の路上飲みグループ:
マジっすか?俺らに似てるやつっていますもんね。

ポイ捨てをしたのは、自分たちに似ている人だと主張。
さらに、飲酒も否定し、持っていた缶は「捨ててあった物を持っていただけ」といいます。

4人組がいた場所には、お酒や食べた後のゴミが散乱
4人組がいた場所には、お酒や食べた後のゴミが散乱

しかし、改めて現場に戻ってみると、1本だけエナジードリンクの缶はあったものの、他は全てお酒の缶。蹴り飛ばしていた缶も、お酒でした。

渋谷センター商店街振興組合の鈴木大輔常務理事によると、このようなポイ捨て以外にも、路上飲みによる被害があるといいます。

見せてくれたのは、渋谷センター街の路地に、2023年6月にオープンしたカフェの写真。テントが破壊されています。

このテントは、8月29日に、路上飲みをしていた人物に壊されたのだといいます。

渋谷センター商店街振興組合 鈴木大輔常務理事:
こんな状態ですね。夜に路上飲みをしていて酔っぱらった方たちが、蹴っ飛ばしたりだとかそういう状況だった。
じつは今朝(9月1日)も壊されていて、それは修復不可能になってしまったので端に置いてあるんですけど、本当に非常に憤りを感じています。

増加する“外国人による路上飲み”

徐々に拡大している被害。
そんな中、パトロールで特に目についたのが、外国人による路上飲みでした。

警備員が英語で「路上でお酒は飲まないでください。飲まないでください。お願いですから自分のゴミは自分で捨ててください」と注意しますが、「俺たちは5年ぐらい路上で飲んでるよ」と聞く耳を持ちません。

ゴミはゴミ箱に捨てるよう促す警備員に対して、手で挑発するような外国人の姿もありました。

挑発するようなハンドサインをする外国人
挑発するようなハンドサインをする外国人

注意しても減らない路上飲みに、疲弊する警備員。
さらに、目撃したのは、コンビニの前にたむろする大勢の人たちです。

コンビニの前を取り囲むようにして路上飲みをする人ら
コンビニの前を取り囲むようにして路上飲みをする人ら

警備員:
車両通るので歩道上にあがってください! 歩道上に移動! 歩道上に移動でお願いします。

注意をしても解散する気配はみえません。
なぜ、この場所に多くの人たちが集まっているのでしょうか?

取材班が話を聞いてみると、集団の1人で、ティックトッカーだという外国人男性が、1本の動画を見せてくれました。

動画には、路上でお酒らしき缶を持ちながら、ノリノリで話す女性の姿が。

自称ティックトッカーの外国人男性:
ここ、今立っているこの場所ですね。女の子がノリノリしてていい感じ。(この場所は)「コンテンツコーナー」、コンテンツ・クリエイターたちの撮影場所になっています。ここのコンビニに行って、ちょっとだけ飲んでからクラブとか行くのが多いですね。

渋谷センター街のコンビニエンスストアの前が、外国人観光客のたまり場としてSNSなどで広まっているのだといいます。

9月から渋谷区で始まったパトロールは、迷惑路上飲酒がなくなるまで、毎日行われるということです。

(めざまし8 9月4日放送)