福島県須賀川市出身の24歳、二所ノ関部屋・新十両の高橋関。2022年5月の初土俵から8場所での十両昇進は歴代7位のスピード出世だ。二所ノ関親方は「こんな十両どころの話ではないと思う。しっかりとした右四つの形があるのでそれを極めていってほしい」とこれからに期待を寄せる。この活躍を、誰よりも喜んでいる人が”ふるさと”福島県須賀川市にいる。
始まりは祖父の「やってみるか?」
これからの角界を背負って立つ高橋関が、相撲の道へ進むきっかけを作ったのが祖父の高橋祥武さん。「ほんとに涙出るような感じ。こんなに早くとは思わなかったですけど、優太の努力がこうなったんだと思いますけどね」と話す。

相撲を始めたきっかけは、祥武さんが福島県郡山市の神社で開かれる相撲大会への出場を勧めたことだった。四股の踏み方も分からず、見よう見まねで出た大会でなんと優勝!「体格も良かったので”やってみるか?”なんて言ったら、優勝しちゃって」と祥武さんはいう。

震災…相撲ができる環境を求めて
小学校卒業後は、相撲ができる環境を求め新潟県へ。祖父の祥武さんは「”親元離れて行くんだぞ”って言ったんですけど”大丈夫だ”って。その時、震災あってこっちも練習する場所がなくなって新潟県に行ってやるってことで」と当時を振り返る。中学・高校と強豪「海洋高校相撲部」の総監督のもとで稽古を重ねてきた。

持ち前の負けん気で今がある
そんな高橋関も一度だけ、祥武さんに「相撲はもういい」と連絡してきたことがあった。それでも、持ち前の負けん気で頑張ってきたからこそ今があるという。「もう一歩もう一歩ってところで、ダメだったんですよね。そのたびに泣いて。忍耐強いっていうか、負けず嫌いっていうのかね」と祖父・祥武さんは語る。

九月場所 孫の勇姿を見届けに
9月10日に初日を迎える九月場所。祥武さんは、初めて国技館で孫の取組みを見るつもりだという。「勝ち越しだけ。8番、勝ってもらえればそれで十分。それ以上は望まない、あとケガですね。もうちょっと動きを機敏にしてもらえれば、もっと楽に勝てるんじゃないかなと私は思うんですけどね。”じいちゃんやってみろ”って言われたらできないですけど」と笑顔で語った。

(福島テレビ)