「ミヤザキサンショウウオ」をご存知だろうか?サンショウウオの一種なのだが、実は宮崎にしか生息していない、とても貴重なサンショウウオだという。一体どんな生き物なのだろうか?ミヤザキサンショウウオの生態の謎に迫る。
「オオイタサンショウウオ」だと思って飼っていたが…
宮崎市田野町で自然保護活動をしている小手川利彦さんは、15年以上前、自宅の近くにある山で見つけたサンショウウオを保護し、それ以来育てているという。
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宮崎県自然保護推進委員・小手川利彦さん:
車のわだちの中に水がたまっていて産卵していて、車が来たら全部ひかれると思って。死んでしまうくらいなら飼ってみようと思って持って帰った
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このときに小手川さんが保護したサンショウウオ、当時は、主に大分県に生息する「オオイタサンショウウオ」だと考えられていたが、2023年3月、宮崎固有の新種であることが判明。「ミヤザキサンショウウオ」と名付けられた。
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宮崎県自然保護推進委員・小手川利彦さん:
オオイタサンショウウオと思って飼っていたけど、最近になって「ミヤザキサンショウウオです」と言われて、「えーっ新種!?」って驚いた
固有種だとすると…より希少で絶滅のおそれ
オオイタサンショウウオとは異なる新種のサンショウウオだと特定したのは、宮崎県総合博物館の元学芸員、末吉豊文さんや、高知大学の研究者などのグループだった。
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宮崎県総合博物館の元学芸員・末吉豊文さん:
宮崎と大分は、直線でも百数十km離れていて、そのころから「本当にオオイタサンショウウオだろうか」という話はあった
![オオイタサンショウウオよりも体に対して手足が長いのが特徴](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/6/2/700mw/img_6245dc83533b827326d90a3a66a40138564804.jpg)
末吉さんによると、新種のミヤザキサンショウウオは、オオイタサンショウウオと同じく体長は15cmほどだが、オオイタサンショウウオよりも体に対して手足が長いという特徴があるという。
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宮崎県総合博物館の元学芸員・末吉豊文さん:
オオイタサンショウウオの宮崎に分布している個体群を絶滅危惧IB類としていたので、宮崎にしかいないとなれば、より希少な絶滅の危機に瀕(ひん)している生き物と考えられる
絶滅のおそれがあるという希少なサンショウウオは、自然の中に生息しているのを見つけるのは困難だといわれている。
今の時期はもう水の中にいないというが…
![記者も同行](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/a/0/700mw/img_a007fe79b83680991576f229cd5f54d2660741.jpg)
そんな中、小手川さんから「ミヤザキサンショウウオがいるかもしれない」との連絡があった。記者が一緒に探しに行ってみると…ミヤザキサンショウウオを発見!
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宮崎県自然保護推進委員・小手川利彦さん:
今の時期は、もう陸に上がって水の中にいないというのが説だったので、こうやって見つかること自体がびっくり
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水たまりを細かく観察すると、ほかにも多くのミヤザキサンショウウオが…
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宮崎県自然保護推進委員・小手川利彦さん:
ちょろちょろ流れが見える。これでこの水たまりができている。水が枯れることがないので、ミヤザキサンショウウオにとっては一番いい産卵場所になっている
本当にミヤザキサンショウウオなのか、末吉さんにも見てもらった。
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宮崎県総合博物館の元学芸員・末吉豊文さん:
背中の小班(小さな星)があるのも、以前は宮崎に分布するオオイタサンショウウオの特徴。見た感じ間違いなく、ミヤザキサンショウウオ
関心を持つことで環境保全にもつながる
末吉さんは、脊椎動物で固有種が見つかることはめったになく、宮崎の自然の豊かさが証明されたと話す。
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宮崎県総合博物館の元学芸員・末吉豊文さん:
多くの方々にミヤザキサンショウウオについて知っていただいて、ミヤザキサンショウウオが生息できる環境は非常に貴重で守っていく必要がある。関心を持っていただくことがミヤザキサンショウウオ含め、環境全体を守り保全していくことにつながる。昔はきっと子どもたちはミヤザキサンショウウオを捕まえたりして遊んでいたと思う。そういうレベルになればいいと思う
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ミヤザキサンショウウオは、オオイタサンショウウオと呼ばれていたころから絶滅危惧種に指定されていて、保護の目的以外でみだりに捕獲・飼育することは推奨されていない。
見つけても、観察したら逃がしてあげよう。
(テレビ宮崎)