子どもたちの夏休みの楽しみの一つである昆虫採集。しかし、間違って人体に影響のある虫を捕まえてしまわないよう注意が必要だ。最近、クワガタによく似た赤い色をした「ヒラズゲンセイ」という虫が宮崎県内でも見つかった。毒を持っていて、触れるとかぶれや水ぶくれなどを引き起こす。専門家は見つけても触らないよう注意を呼びかけている。

触れるとかぶれや水ぶくれの危険も

ヒラズゲンセイは赤い体が特徴で、体長は20ミリ~30ミリほどの昆虫だ。オスは大あごを持ち、「真っ赤なクワガタ」とも呼ばれる。

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最大の特徴は、体の関節から毒を含んだ液を出し、「触れるとかぶれや水ぶくれを引き起こす恐れがある点」である。これまでは西日本の一部でしか見られなかったが、近年、生息域を拡大し、その姿は宮崎県内でも確認されるようになった。

木材店では5年ほど前から毎年発見

小林市にある木材店では、ヒラズゲンセイが5年ほど前から毎年見つかっているという。

きりしま木材店 小薗公平さん:
最初は外に積んである製品の間から赤いヒラズゲンセイが5、6匹いた。びっくりした。こんな虫がいるのかと。毎年出ている。捕ったのを博物館に寄贈した。オスは頭の方にはさみがあってクワガタみたい。ちょっと見たらクワガタみたいに見える

現在までに、センダンとカバの2種類の木で生息を確認しているという。

地域によっては準絶滅危惧種指定

専門家は、これから夏休みに向け、家族で楽しむ昆虫採集などで注意が必要だと話す。

県総合博物館 竹下隼人さん:
広葉樹の森林が多いが、木造の建築物、例えば神社やお寺、公園のあずまやなどで住み着いたと確認されている。宮崎市、都城市、日南市、串間市で報告が上がっている。

まさに今が活動のピーク。6月~8月が成虫が見られるシーズン。

基本的にはおとなしい昆虫なのでこちらが手を出さなければ向かってくるようなことはない。見かけてもそっとしておくのが一番いい。地域によっては準絶滅危惧種に指定されており、駆除はかわいそうなので温かく見守っていただけたらと

見つけても触らない!

改めて、このヒラズゲンセイについての注意点をまとめると…
まず、見つけても触らない。

そして、もしも触ってしまった場合は、患部を水で洗い流し、皮膚科を受診する。

さらに、ヒラズゲンセイは飛ぶ。服などについた場合にはやさしく振り払うようにする。

ヒラズゲンセイは人間を襲ってくるような虫ではないため、遭遇したときに正しく対処できるよう、知識を持つことも大切だ。

(テレビ宮崎)

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