鳥取県の東部、若桜町と八頭町を結ぶローカル線・若桜鉄道。その9つある駅のひとつ「隼駅」で、隼ライダーの“聖地巡礼”イベント・隼駅まつりが開かれ、全国から大勢のライダーが集まった。
「隼駅」は、スズキの大型バイク「隼」と同じ名前を持つつながりで、全国の隼ライダーにとって“聖地”になっている。

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隼駅まつりはコロナ禍で2020年以降、中止や縮小が続いていたが、ようやく2023年、以前のように真夏のイベントとして復活。全国から「隼」などバイク2,300台が集結した。
会場がある鳥取・八頭町は、8月上旬の台風7号で被害を受けたが、隼ライダーからは支援の輪も広がった。

「隼」への愛があふれるライダーたち

8月20日、続々と集まった大型バイクには「隼」の文字があった。茨城や福岡、神奈川など全国各地の隼ライダーがはるばるやってきたのは、八頭町の若桜鉄道「隼駅」だ。この日、隼ライダーの“聖地巡礼”イベント「隼駅まつり」が、4年ぶりに夏に開催された。

「GSX1300R HAYABUSA」は、1999年に発売された大型バイクだ。最高速度は300km/hを超え、発売当時、市販のバイクでは世界最高速を誇った。

隼ライダー:
(「隼」の魅力は?)スタイルと乗っていて安心するところ

隼ライダー:
“元世界最速”というところ。乗りやすいです

中には、身長151cmという女性も。

隼ライダーの女性:
ローダウンして、靴も厚底履いて、頑張って乗っています。「隼」に勝るバイクはないですよ。“隼LOVE”です

他にも、初めて「隼」オーナーになったライダーの愛車は、レアな300台限定の25周年モデルだという。出会ったライダーたちは、それぞれに熱く“隼愛“を語ってくれた。

4年ぶりの開催にスズキの社長も登場

2023年で13回目を迎えた「隼駅まつり」は、2008年にバイク雑誌が、8月8日を“ハヤブサの日”として、「隼」のオーナーに同じ名前の「隼駅」に集合するよう呼びかけたのをきっかけに、翌年、第1回が開催された。

その後、回を重ねるごとに盛り上がり、2019年には過去最多の2,300台のバイクが集まるまでになった。

しかし、新型コロナの影響で2020年は中止。2021年と2022年は、規模縮小を余儀なくされ、ようやく2023年に従来の形で開催されることになった。

隼ライダー:
年に一度のお祭りなので楽しみにしていた。“聖地”なので

隼ライダー:
「隼駅まつり」になって1回目から参加している。久しぶりに開催されて感無量

隼ライダー:
(参加は)5回目ぐらい。やっぱり熱いのが戻ってきた

会場に集まった隼ライダーは、イベントの復活を喜んだ。
さらに、「隼」をつくる「スズキ」の社長もかけつけていた。

スズキ・鈴木俊宏社長:
台風7号の影響でどうなるかって心配したが、これだけの皆さんが集まってくれるというのはうれしいですね。ライダーに愛され、地域の人に愛され、10年、20年続けられると本当にいいなと思います

イベント開催が町への支援に

隼駅の近くにあるメイン会場では、レース仕様の「隼」が展示された他、「隼」グッズの販売もされ、ブースには長蛇の列ができた。コロナ禍前のかつてのにぎわいが戻っていた。

その一方で、8月の台風7号で、会場がある八頭町は大きな被害を受けていた。若桜鉄道の沿線や会場周辺では被害がなく、イベントも予定通り開催されたが、会場には義援金箱が設置され、参加したライダーたちも支援の呼びかけに応えていた。

八頭町・吉田英人町長:
台風7号のこともあったが、開催してよかったと思う。全国のライダーのみなさんからパワーもらいましたので、町民の皆さんに伝わるようになればと思います

観光で訪れることも、被災した町の支援につながる。今回は、コロナ禍前の2019年に並ぶ2,300台のバイクが集結した。台風被害からの復旧に取り組む八頭町民に元気も届けた。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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