連日の厳しい暑さで、熱中症には警戒が必要だ。体の内部の温度を下げる飲み物など、今、注目を集めている熱中症対策を紹介する。

熱中症搬送 意外と多い「自宅」

連日続く暑さに熱中症警戒アラートが出され、熊本県では2022年、人口10万人当たりの熱中症による救急搬送数が89.40人と全国4位になった。どんな場所で熱中症になる人が多いのか、熊本市消防局に聞いた。

この記事の画像(10枚)

熊本市消防局救急課・丸山修消防指令長:
外出して暑い場所にいた環境から家の中に戻ってきたときにだんだん体調が悪くなって、救急車を呼ばれるのは自宅

体調の異変を感じる人が多いのは自宅で、中には冷房をつけていなかったり、救急隊が到着したときには、冷房が切れているケースもあるという。

熊本市消防局救急課・丸山修消防指令長:
問題は室温。エアコンのリモコン上で28度を設定してしまうから、室温としては高い環境にいるということがあるのではないかと思っています

熱中症と思われる人を見つけたら、水分を自力で飲めるかどうかなどを判断基準として応急処置を行い、意識があっても頭痛やけいれんが見られる場合は、ためらわずに119番してほしいと呼び掛けている。

冷却スプレーや断熱カーテンが人気

熊本市の鶴屋百貨店・東館6階にあるハンズでは、熱中症対策や冷却のための商品約80種類を販売している。衣類に使える冷却スプレーが人気で、服にはもちろん、寝具に振りかける人もいるという。

また、2023年は初めて日光を遮るカーテンなどの遮光・遮熱対策売り場を設けた。

ハンズ熊本店・麻野慎平さん:
年々暑くなってきているので、クーラーだけではカバーしきれない日差しの強さであったり、室温の上昇を少しでも抑えたいという方にお買い求めいただいています

家の外に設置するベランダタープや、冬にも使うことができる断熱カーテンも人気だということだ。

水分補給に新定番・アイススラリー

また、熱中症予防に欠かせないのが水分補給。

熊本市消防局救急課・丸山修消防指令長:
一般的には、スポーツドリンクのようなものを飲めるうちに小まめに飲むのがいいのかなと思います

丸山副課長はスポーツ中だけではなく、準備運動の段階から水分を補給することが大事だという。そこで今、注目されているのが、水分の中に細かい氷の粒が入った「アイススラリー」という飲み物だ。

大正製薬の「リポビタン アイススラリー」は、汗で失われやすい塩分と、エネルギー源となるクエン酸やビタミン類が入っている。

仲野香穂アナウンサー:
細かい氷の粒なので、スッと溶けて飲みやすいです。一気にスーッと体が冷える感じがします

7月、熊本・水上村で合宿を行っていた高校の陸上部や駅伝部の選手たちに、熊本保健科学大学  健康・スポーツ教育研究センターの松原誠仁副センター長が「アイススラリー」の効果について語っていた。

熊本保健科学大学 健康・スポーツ教育研究センター 松原誠仁副センター長:
細かく砕いた氷の方が、体内に入ると溶ける時に一緒に体内の熱を下げる。非常にその効果が高い。東京オリンピック・パラリンピックで普及しました

内臓の体温、いわゆる深部体温を効率よく下げることができ、熱中症の予防につながるということだ。

大正製薬の担当者は「これまでのアイススラリーは封を切ったら飲み切る必要があったが、こちらはキャップ付きのため、自分のペースで飲める」と話し、少し飲んだら、頬などに当てて体の表面を冷やすこともできるという。

まだまだ続く熊本の夏、熱中症対策アイテムを上手に使って効率的に暑さを乗り越えるのはどうだろうか。

(テレビ熊本)

テレビ熊本
テレビ熊本

熊本の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。