お盆でお墓参りをする方も多いと思うが、少子高齢化によって、お墓のあり方が変わり始めている。散骨、樹木葬などの形態もあるが、納骨堂に遺骨を移すケースも増えている。街の人にお墓について聞くとともに、最新の納骨堂を取材した。
「墓じまい」と「墓を移す」=「改葬」は意味が違う
街でお墓について聞いてみた。
街の人:
墓事情はすごく変わっていると思います。困っている人がすごく多いと思います

少子高齢化が進む中ここ数年、お墓をめぐる事情も大きく変化している。
街の人:
行きやすい所に買い替えるとか聞きますよ

街の人:
墓じまいをしました。主人の実家は墓じまいをして、樹木葬の永代供養に変えました

「墓じまい」と「墓を移す」ことは、意味が違う。「墓じまい」とは完全に墓をやめることを指し、墓を閉じて、墓地の管理者に使用権を返却すること。これに対して「墓を移す」ことは、お墓から遺骨を取り出し、別の場所に埋葬し直すことを意味する。

この「墓を移す」ことを「改葬」と呼ぶ。先の街の人の例は、「墓じまい」をしたうえで、樹木葬に「改葬」したことになる。

厚生労働省の調べによると、2021年度に国内で行われた「改葬」は約12万件。
2012年度の約8万件と比べると10年ほどの間に1.5倍増えており、「改葬」は増加傾向にあるといえる。

街の人:
お墓は、やっぱり自分の自宅から近い方がいい

街の人:
昔のようにはいかないですよね。山の上の方まで、上がって行けないです。草も“わーっ”と生えますしね
街の人:
このあとが、やはり墓の面倒をみるのが大変じゃないですか

広島県内では、墓は山の上など、郊外に作られることが多く、高齢者には墓参りがしにくい上に、墓を管理する面でも交通の便の悪さが負担となる。このため、都市部に「改葬」する人が増え始めている。

機械式納骨堂 IDカードで骨壺を呼び出し
広島市西区の納骨堂。現在、約500人が利用している。

観世音陵苑はなみずき 藤本智 代表:
個室のタイプの納骨堂になります。専用のカードで中に入って、こちらで呼び出しをしてもらうとご家族の骨壺が運ばれてきます


藤本代表:
奥に箱があって、その中に骨壺が納められている状態です

この納骨堂では、故人の遺影だけでなく、生前の家族との写真なども見ることができる。

藤本代表:
こちらのフロアは仏壇の形をしたタイプの納骨堂になります

納骨堂のタイプは様々で、通常のお墓にはない便利なサービスも…。

Q:掃除などは個人がするのですか?
藤本代表:
基本的には私どもの方で清掃も普段からしています。花やお供えの生ものなどを置いている場合は、こちらで撤去したりなど、全部やります

お寺も併設されていて、お参りから法事までワンストップでできることが大きな特徴だ。

藤本代表:
広島県内外からお墓を引っ越して、こちらに来る方は多いです。利便性を求めてこういった納骨堂に来られる方も多いですし、高齢の方は多いですね

藤本代表:
急激に増えている感じはまだないです。全国的にはかなり増えています。広島も少しずつですが今増えている状況です。今からだと思います

先祖の霊の供養のし方、そしてお墓の形態が今、大きく変わりつつある。
(テレビ新広島)