ガソリン価格の高騰が止まらない。7月31日の時点で石川県内のレギュラーガソリンの店頭価格は、約15年ぶりの高値となった。1週間経って更に価格は上昇し、ついに180円の大台に。一体どこまで上がるのか。

レギュラーガソリン180円台

2023年7月31日の時点で、経済産業省が発表した石川県内で販売されているレギュラーガソリンの店頭価格は179.4円。10週連続の値上げとなり約15年ぶりの高値となった。こうした中、金沢市内にあるガソリンスタンド「北星ファイブ入江店」では、全ての油種で一律4円の値上げに踏み切った。

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訪れたドライバーは「大変やわ。満タンにはせず、3000円の金額分だけ入れて、あまり車には乗らないようにしている」「困るっすね。ガソリンどころか他の税金もがっつり上げてきているから、日本終わっているなという感じ」などと不満を漏らした。

主な原因は補助金の縮小

ガソリン価格高騰の主な原因は補助金の段階的な終了だ。政府が価格抑制のために石油元売りに出す補助金は2023年6月から段階的に縮小してきた。

北星ファイブ入江店の加藤浩之店長は「9月末まで値上げは予想されるので、なるべく満タンで給油していった方がいい」と話す。

加藤浩之店長
加藤浩之店長

補助金は9月末で全て終了する予定のため、早めに給油すればその分お得だという意味だ。裏返せば、それまでは値上げが続く恐れがある。将来的に200円台突入の可能性も否定できないと加藤店長は話すが、このガソリンスタンドの電光掲示板は200円以上の価格には対応していないという。

入浴施設の値上げも助長

金沢市内の入浴施設「和おんの湯」では湯を沸かすボイラーの燃料として重油を使っている。和おんの湯、塩村美樹社長は「毎週、重油の価格が上がりますね、じわじわと。後ろを振り返るとかなり価格差が出ている。わずかな利益を蝕んでいっているような状況ですね」と打ち明ける。

塩村美樹社長
塩村美樹社長

重油の価格は2023年6月の時点で1Lあたり約98円。重油も政府による補助金の対象だが、2年前の同じ時期と比べ価格は約2割も上昇している。

燃料費の高騰で2022年に一度、入浴料を値上げしたこの施設。やむを得ず2023年9月からの再値上げを決めた。「2022年の上げ幅では追いつかなくなってきた。物価が全部上がって、やっぱり入浴料を上げていかないともたないというのが現状です」と塩村社長は語る。夏の間は、沸かす湯の温度を5度ほど低く設定するなどして、燃料費を節約しているそうだ。

石油情報センターによると、主要な産油国が減産を表明していることや、需要の回復などで原油価格は今後さらに値上がりする見通しだ。国の補助金制度が予定通り9月末で終了すると家計にも産業にも更に重い負担となりそうだ。

(石川テレビ)

石川テレビ
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