昔から子どもたちが近所で楽しめる場所、集まれる場所として人気の「駄菓子屋」。夏休み真っ只中、北海道の駄菓子屋には今どんな物語があるのだろうか。
子どもたちの居場所に
きなこ菓子は10円、麩菓子は20円。
2023年3月、札幌市東区で開店した駄菓子屋「ねこ田商店」。店長は、なんと小学4年生の村田椿さん9歳。

「家族で話して『店長になりたい』と言いました」(店長・村田椿さん)
「コロナの時代でこの子(小学校)入学からどこも行けなかったけど、たまたま駄菓子屋さんに行ったら生き生きと『あれもほしい。これもほしい』と。うちでも駄菓子屋さんをやればそういう子どもたち増えるかなと思って」(父・隆徳さん)
夏休み中の常連客は近所に住む女の子。
「家族が仕事でいないので(どこにも)行けません。暇なので『ねこ田商店』にとりあえず来ます」(小学5年生)

(Q:店長やってたらどこにも行けないのでは?)
「行けない。でも『ねこ田』に来てくれる友達もいるから楽しい」(店長・村田椿さん)
定休日の月曜・火曜以外、椿さんの夏休みは店長として忙しく過ぎていく。
“夏休み限定”の駄菓子屋
北海道にはこの時期だけ店を開いている駄菓子屋もあった。
美唄市の町はずれで営業している「気まぐれみよばぁ~ば」。

店主は佐藤美代さん74歳。
5年前、自宅の車庫を改装し夏休み限定で営業している。

「炭鉱が閉山になって店もなくなり、キャンディほしいと言っても店がない。なんかあったらいいかなと思って開店しただけ。子どもたちのため」(気まぐれみよばぁ~ば・佐藤美代さん)

かつてにぎわっていた商店街は今では住む人もいない店舗が目立つようになった。
美唄市の高齢化率は4割を超え、地域に子どもは少なくなった。

美代さん、店をやりながら地域の子どもたちの成長を見守る。
駄菓子屋に懐かしさを感じる大人も
しかしこの店、子ども以上に目立つ客層があった。
「三笠から南美唄を通って職場に行く。ここで10個くらいまとめ買いして、家で友達と食べる」(三笠市から出勤途中)

こちらは岩見沢市から来たという同級生の4人組。
「友達のSNS見て初めて来ました」(岩見沢市から来た大学生)

「気まぐれみよばぁ~ば」には駄菓子屋に懐かしさを覚える大人が多く訪れていた。
お客さんとのやり取りが美代さん自身のエネルギーの源にもなっているようだ。
(北海道文化放送)