秋田・羽後町に、特産のそばを食すために多くのファンが訪れる老舗そば屋がある。一時、休業の危機にあった店を守ろうと立ち上がったのが町出身の1人の男性。学生時代に取り組んだ化学の研究を生かし、挑戦を続けるそば職人の思いに迫る。

100年の歴史を持つ老舗の危機「なくなってほしくない」

羽後町西馬音内(にしもない)の老舗そば屋「松屋」は、約100年の歴史がある店だ。町の特産の一つ「西馬音内そば」を求めて、県の内外から多くの人が訪れる。

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客:
ちょっと間をあけてここに来ると、「うまい!」と思う

客:
ここのそばは好みに合っている。そばとかつゆが

伝統の味を支えている1人が、そば打ち職人の高橋瑞歩さんだ。

羽後町出身の高橋さんがそば職人となったのは、2022年9月。松屋の休業と職人募集の貼り紙を見たことがきっかけだった。

松屋・高橋瑞歩さん:
地元の創業100年の店が、誰もやらないと、もしかしたらなくなってしまうかもしれないという危機感を感じて、なくなってほしくないという一心で始めた

“化学の研究”を生かしたそば作り

前の職人に作り方を教わり、あとは試行錯誤の毎日だったという高橋さん。大学院時代に化学の研究をしていた経験が、そば作りに生かされていると話す。

松屋・高橋瑞歩さん:
面白いことに何でもリンクしてくる、物質を見る感じが。時間がどのくらいかかったとか、その時の気温、打ち始め・打ち終わりの時間をメモしたりとか、水をどれくらい入れたとか

ノートへの記録は今も欠かすことなく、“経験値”と“計算式”でおいしいそばを作っている。

そんな高橋さんが打つそばは、西馬音内そばならではのコシがあって、ツルツルとしたのどごしの良い麺。松屋で代々受け継がれる煮干しとアゴだしがきいたつゆにぴったりで、何杯でも食べたくなるおいしさだ。

そばだけでなく「町のPRにも貢献したい」

松屋・高橋瑞歩さん:
創業100年のブランディング。何十年というファンもいるし、何かしらの方法で続いていった方がいいと、入ってから思った

店主から絶大な信頼を寄せられている高橋さん。今後は、そば作りはもちろん、町の活性化にも取り組みたいと話す。

松屋・高橋瑞歩さん:
そばに限らず、羽後町をPRすることに貢献していきたい。自分の力の範囲で

伝統を守るために立ち上がった高橋さんの今後の活躍に注目だ。

(秋田テレビ)

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