連日各地で観測されている“災害級”の暑さ。7月27日、全国で最高気温35℃以上の猛暑日となったのは、今年最多の251地点に上りました。
“災害級”といわれる猛暑は、私たちの食卓にも大きな影響を及ぼすことになりそうです。
夏野菜のキュウリに異変!?収穫量が激減
埼玉県にあるスーパーを取材すると、いま、猛暑の影響で野菜の仕入れ値が高騰しているといいます。

やましろや本庄店 山口貴司 店長:
高温障害によって出荷量が落ちています。生育も非常に悪い中で、商品がなかなか揃わない状況が続いている中で。特にキュウリは、きょうは高値の中では、赤字販売させていただいています。

夏野菜の代表格である、「キュウリ」にまで影響が。

実際に、「めざまし8」の取材班がキュウリなどを育てる農家に行ってみると、見せてくれたのは、先が細くとがりまるでニンジンのような姿になった、小さなキュウリでした。

ヤマニファーム 山田豪さん:
やっぱり雨が少ない。あとは、この異常な高温のためにキュウリがストレスを感じて、もう枯れ始めているというような状況です。尻尾が曲がったキュウリ、豚の尻尾みたいな。水が足りないとこうなる。

本来真っすぐに伸び、張りのあるキュウリが、細く曲がってしまい、いびつな形に。

通常のものと比べてみても、色が薄く、売り物にならないレベルのものばかりだといいます。

ヤマニファーム 山田豪さん:
収穫量ですと、キュウリに関して(例年より)半分ぐらい落ちていますね。
さまざまな農作物に影響が…
連日30℃を超えている茨城県古河市の農家では、本来は暑さに強いはずの「ピーマン」が、白く変色していました。

鈴木農園 鈴木 弘晃さん:
先週の土日が、36℃とか37℃とか、そういったのを超えた辺りから、ピーマンが変色すると言うことが発生してきました。直射日光と高温の影響で、肌が焼けてぶよぶよになってしまっているんです。ちょっとこれだと出荷は厳しいですね。

Q.全体の何割くらいに影響が?
鈴木農園 鈴木 弘晃さん:
26日に収穫したんですけど、そのときの時点でだいたい2割くらいは、こういった廃棄のピーマンが出てきてしまっています。

Q.暑いという意味では、去年も暑かったと思いますがなぜ?
鈴木農園 鈴木 弘晃さん:
去年なんかだと、じわじわ暑くなってきたんですけど、今年は結構いきなりカッと暑くなったときがあったので、野菜自体も暑さに慣れていなかった。そういった影響でこういったピーマンが多発してしまっているのかなと。

鈴木さんは、「全て出荷して、皆さんにおいしいピーマンをお届けしたかった」と悔しさを語ります。収入も例年に比べると2~3割は減ってしまう可能性があるそうです。
さらに、別の農園を取材すると、例年であればみずみずしく実るはずの「ブドウ」が、痩せ細った姿になっていました。

鳥海農園 鳥海加保里さん:
わかります?これ。しわしわになっちゃってるんですよ…。暑さで水分が回らなくてしぼんじゃってるみたいですね。干しぶどうみたいな感じになっちゃってます。固いです。

色も黒ずんでおり、農園の方はまるで「干しぶどうのよう」だといいます。

様々な農作物に大きな影響を及ぼしている“災害級”の暑さ。
その中でも特に大きな影響が出ているのは、「アスパラガス」です。
室温46℃のサウナのような暑さになったビニールハウスを見せてもらうと、青々と茂った植物はあるものの、アスパラガスらしき野菜の姿は見えません。

鳥海農園 鳥海加保里さん:
これは、アスパラガスの木ですね。本来であれば、こういうところ(地面)から芽が出てくるんですけど、暑くなってからは、ほぼ出てこなくなったので手入れもしていない状態です。

暑さの影響で、今年のアスパラガスの収穫量は、例年より8割減。ビニールハウスの中には、小さなものが数本しか生えていない状態になっていました。

鳥海農園 鳥海加保里さん:
(例年は)月150kgくらい取れていたんですけど今はゼロです。早く涼しくなってほしいですね…。

「食」にも打撃を与え始めた連日の猛暑。まだまだ影響は続きそうです。
(「めざまし8」7月28日放送より)