えん罪被害を受け、国などを相手取って裁判を起こしている女性がいる。 その訴訟で、女性に「あるTシャツ」を着ることを裁判所がやめるよう求め、議論を呼んでいる。

裁判当日は何も指摘されなかったが…

湖東記念病院の看護助手だった西山美香さん(43)は、入院患者を殺害した罪で12年間服役したが、やり直しの裁判で無罪が確定し、国と滋賀県に損害賠償を求めている。

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大津地方裁判所で行われている裁判で、西山さんは6月、胸に「イノセンス・プロジェクト・ジャパン」と書いてあるTシャツ姿で出廷した。これはえん罪の被害者を支援する団体の名称だ。

弁護団によると、当日は何の指摘も受けなかったものの、翌日になって大津地裁が電話で「今後着用しないよう」と求めたというのだ。

西山美香さん:
Tシャツを着ただけでこんなに大きいことになるとは思ってなくて、正直びっくりしています。団体を知ってほしいなと思って

地裁は理由として、この文言について「政治的なメッセージ性があり、規定で禁止されている」と説明したということだ。

西山美香さん弁護団・山崎浩一弁護士:
何かその時に実際に支障があったなら、その場で注意があっただろう。注意がなかったので、逆に支障がなかったとはっきりしてると思う

 西山さんの弁護団は政治的なメッセージ性はなく、不当だとして撤回を求めている。

これを受けて「イノセンス・プロジェクト・ジャパン」は、「刑事裁判は冤罪の救済や予防を目指しています。その理念を掲げて活動している私たちの名称が入ったTシャツを裁判所が規制しようとしたのは残念です」とコメントしている。

(関西テレビ「newsランナー」7月26日放送)

関西テレビ
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