生活困窮者などが社会復帰を目指す「救護施設」の建設計画。反対する住民と市の間に溝が生まれていたが、京都市は計画を取りやめたことを明らかにした。

政令市で「救護施設」がないのは3市のみ

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7月12日、京都市が会見を開き、市内の住宅街で進めてきた「救護施設」建設計画を取りやめたことを明らかにした。

「救護施設」とは、障害者や生活に困窮する人が社会復帰を目指して生活する施設。

政令市で「救護施設」がないのは、京都市を含め3市のみとなっている。

 建設計画は2年前から進められていたが、近隣住民への説明会が行われたのは事業者が決定したあとの2022年5月。この動きに住民は強く反発、説明会は紛糾した。

住民:
人口密集地ですよ。こんなところに持ってきてどうするんですか。ほんまに。計画ありきで話してます?

市の担当者:
この計画を進めたいと考えています

住民:
“進める”ありきで話すんやったら、もっと早く説明したほうがよかったんちゃいます?

犯罪歴のある人やアルコール依存者も含まれると説明

また、市は救護施設に入居する人の中には、犯罪歴のある人やアルコール依存の人も含まれると説明していた。

住民:
何かあったら誰が責任とれるんですか?そもそも何かあったらじゃ、ダメなんですよ

市の担当者:
我々としては必要な施設であると

住民:
必要な施設なのはみんな分かってはります

市の担当者:
分かっていただいた上でご不安があると…

住民:
それはあるでしょ

市の担当者:
そのご不安を払拭するためにこの説明会を…

住民:
払拭できてないねん!できていると思ってます?

住民への理解が得られずスケジュールが遅れる中、京都市は7月12日、計画の取りやめを発表した。理由について、建設事業者が資材の高騰などのため辞退した、と説明した。

これを受け、建設予定地の近くに住む住民からは「よかったんちがう?苦労した方(住民)もいたし」、「近所に小学校・保育園もある、そういうところに建てるのはどうかと思ってた。一安心はしましたね」といった声が聞かれた。

市は「生きづらさを抱える人の支援は必要」として、今後も救護施設の建設を含めて検討を続けるとした。

(関西テレビ「newsランナー」7月12日放送)

関西テレビ
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