2023年3月、仙台市中心部のビルの屋上で、男子高校生が集団暴行を受けるなどした事件で、警察は、7月25日、これまでに13人の少年・少女を検挙したと発表した。年齢や職業、住む場所も異なる13人。つながるきっかけは「ハロウィーン」と「SNS」だった。

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検挙されたのは13人の少年・少女

建造物侵入や傷害の疑いで逮捕、または書類送致されたのは、宮城県内に住む15歳から18歳の男女13人だ。3月12日の夜、仙台市中心部の商業ビルに侵入し、このビルの屋上で男子高校生の顔や腹を殴るなど、集団で暴行を加えた疑いが持たれている。(このうち傷害容疑で検挙されたのは少年6人)
暴行を受けた男子高校生は、鼻の骨を折るなどの大けがをした。

年齢も違えば、職業も違う13人。会社員や無職の少年もいれば、高校生や中学生も含まれている。住む場所も仙台市だけにとどまらず、大崎市や亘理町など様々だ。一見、共通点がないように思える少年たちに、どのようなつながりがあったのだろうか。

きっかけは仙台駅前花火発射事件

2022年10月31日 JR仙台駅前は 仮装した多くの人でごった返していた
2022年10月31日 JR仙台駅前は 仮装した多くの人でごった返していた

今回の事件で、建造物侵入の疑いで逮捕された 亘理町の高校生の少年(16)は、2023年6月、別の容疑でも書類送致されていた。その事案というのが、2022年10月31日、コロナ禍3年目で迎えたハロウィーンの夜、仮装した多くの人でごった返すJR仙台駅前で、打ち上げ花火を発射したというもの。少年は、軽犯罪法違反の疑いで仙台家庭裁判所に書類送致された。「花火を上げて盛り上がりたいと思った」と話し、容疑を認めているという。

高校生の少年が打ち上げたとみられる花火
高校生の少年が打ち上げたとみられる花火

警察がこの「仙台駅花火打ち上げ」の捜査を進める中で、今回の13人の少年・少女が検挙された、建造物侵入・傷害事件は発生した。

ハロウィーン当日 仙台駅では 多くの人が行き交う中で ほかにも花火が打ちあがっていた
ハロウィーン当日 仙台駅では 多くの人が行き交う中で ほかにも花火が打ちあがっていた

捜査関係者によると、ほかにも恐喝などの少年による犯罪行為が多発している現状があったという。そんな中で捜査線上に浮上したのは、複数の少年たちで構成されるグループの存在だった。

SNS通じてつながった少年たち

捜査関係者によると、グループは40人ほどの少年・少女で構成されていて、ハロウィーン以降にSNSを通じてつながったものとみられている。少年たちは、仙台駅や周辺の公園などに集まるようになっていたという。

その後、このグループに所属する少年たちが、仙台駅前での花火発射事件や冒頭の建造物侵入・傷害事件に関与していることが判明。捜査が進められ、今回の「13人検挙」にこぎつけたというワケだ。

さらに、このグループを巡っては、警察が今回の傷害事件などの検挙と同じタイミングで、17歳の少年2人を、それぞれが別の原付バイクを盗んだ疑いで、検挙していたことも発表している。少年たちは書類送致されたという。

深刻な若者の滞留・不良行為

JR仙台駅などを管轄する仙台中央警察署よると、2022年1年間、管内で20歳未満の少年などが補導されたケースは915件と、若者の滞留や不良行為は、問題視されている。

実際に、平日の午後9時過ぎ、仕事帰りの人などが行き交う、仙台駅にほど近い公園に行ってみると、酒やつまみを手に大きな声で話す若者の姿がった。近くを通りかかったバイト帰りだという19歳の女性に話を聞くと、「タバコを吸ってお酒を飲んで、大声で話していて…怖い。集団でいるので避けるように通っている」などと困惑の表情を浮かべていた。

6月某日 午後9時過ぎに仙台駅近くに集まっていた若者たち
6月某日 午後9時過ぎに仙台駅近くに集まっていた若者たち

公園でたむろする若者たち。どんな関係性なのだろうか。

「学校帰りにみんなでしゃべっていました。仙台駅前は楽しいけど、警察が来るので、公園に集まっています。いろんな人がたくさん集まってくる。さっきまでは、15人くらいいました。SNSで連絡先を交換して仲良くなる。みんな友達です」(公園にいた専門学校生)

公園に集まっていた専門学校生の女性2人組
公園に集まっていた専門学校生の女性2人組

2022年のハロウィーン以降、仙台中央署が、恐喝や監禁などの疑いで検挙した、14歳から18歳の少年などは、今回の事案を含め25人にのぼる。警察は、引き続き捜査を続けるとともに、近隣の商業施設などとも連携し、少年たちの非行を防ぐ取り組みに力を入れていく方針だ。

(仙台放送)

仙台放送
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