佐賀県で大きな被害をもたらした大雨。土砂で道路が寸断し、一時孤立した山間部では現在、住民やボランティアが復旧作業を進めているが、まだ把握できてない被害も多く、復旧作業は長期化する見通しだ。

山間部では多くの道路が寸断

大雨で大きな被害を受けた唐津市の山間部七山。

この記事の画像(15枚)

土砂崩れで多くの道路が寸断され、一時集落が孤立。2日間にわたり停電も発生した。

唐津市七山 池原地区・諸熊道晴区長:
丸々1日、幹線、私道も遮断されたんですね。ここまで市の支援が届くはずはないことは覚悟していた。みんないっぱいいっぱいの状況

近隣住民などが土砂を取り除いているが、現在も林道を中心に通行止めが続いている。
また、被災した住宅も多くある。

住宅が被災・岩村恵美さん:
バキバキという音と泥臭さがわいてきたんですよね。急いで前に出たら、その間に右と左から濁流が押し寄せてきて、一瞬ですね、陥没して

眠っていた時に土砂が…

七山で住宅の被害を受けた岩村恵美さんは、10日の午前5時前に高齢の母と眠っていたところ、裏山が崩れて一気に土砂が流れ込んできた。

岩村恵美さん:
小屋の中はもう全部なぎ倒されていて、泥だらけだったんですけど、水位はここ位まで来ていた。ちょっと水の跡が残っています

岩村恵美さん:
ここに濁流で黒く、渦を巻いたように流れていたというのが、最初の音と瞬間ですね

建物への被害は少なかったものの床下が浸水し、家の前や付近の通りは大きく崩壊した。

ボランティアの支援を励みに

毎日20人ほどボランティアが集まり、土砂の撤去などの作業を行っている。

岩村恵美さん:
ボランティアの人にこれだけきれいにしてもらって、あとは温かい言葉ですね。「頑張りましょう」「休んでください」「私たち頑張ります、そのために来ました」っておっしゃっていただいて、すごく励みになって頑張っています

ボランティア:
高齢の方でも自分たちで頑張ろうとされるので、みなさんどんどん「こういうことを手伝って欲しい」ということを、社協さんの方に言ってもらえたらいいかなと思っております

一方、少しずつ戻りつつある日常もある。

高齢者が多い七山では、週に一度、各家庭をまわる移動スーパーが重要なライフラインだが、道路が寸断し、先週は地域に入ることができなかった。

とくし丸・七山地域の担当者:
頭に浮かぶ迂回路を2、3カ所まわったんですけど、どっちにしても木が倒れていたり、電柱が倒れていたり、仕方なく諦めましたね

電気が復旧し、炊飯ができたことで食料に困ることはなかったものの、カップ麺などの保存食でしのいだという住民もいる。

移動スーパーの利用者:
息子には遠くからこんなにいろいろ頼めないと思ってね。きょうは移動スーパーが来てくれたので助かりました

とくし丸・七山地域の担当者:
この地区、七山は私の担当エリアです。とりあえず安否を確認したくて上がってきた感じですかね

把握できていない農地の被害

電気や交通など基本的なライフラインは確保できたものの、道路や田畑に大きな爪痕が残ったまま。復旧作業は長期化する見通しだ。

唐津市七山 池原地区・諸熊道晴区長:
まだまだ私道、農道などの確認ができてないので、農地の災害などがどの程度あるのか、今からの作業です

(サガテレビ)

サガテレビ
サガテレビ

佐賀の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。