記録的大雨の被害が出ているのは住宅や店舗だけではない。秋田県全体の農林水産関係の被害額は、20日までに12億4,000万円余りに上っている。このうち五城目町では、河川の氾濫により多くの農地が水に漬かった。2年連続の被害とあって、生産者は肩を落としている。
町内の半分ほどの農地が冠水
記録的大雨の影響で水が茶色く濁った、五城目町を流れる馬場目川。

橋のガードレールは大きく曲がり、通ることはできるが、ガードレールの隙間を埋めるように木が絡みついていた。

橋の高さまで水位が上がったことが分かる。馬場目川の下流に進むと…。

佐藤愛純アナウンサー:
馬場目川の川沿いの田んぼ。あぜ道には何本もの大きな木が取り残されている
今回の大雨で、町内の半分ほどにあたる400ヘクタール以上の農地が冠水したとみられている。コメやダイズなどを栽培する「農事組合法人山ゆり」は、田んぼ10ヘクタールが水に漬かった。

農事組合法人山ゆり・伊藤武志代表理事:
2022年からまだ1年たっていないんですけどね、ここも全部冠水しました。まだ出穂前なので、冠水してもその水が抜けたら、泥もそんなにかぶっていない状態なので、大丈夫じゃないかなと思っています
被害はこれだけではない。

農事組合法人山ゆり・伊藤武志代表理事:
多分、木が上がった所は駄目だと思います
6月に植えたばかりのダイズの被害はさらに深刻だ。

農事組合法人山ゆり・伊藤武志代表理事:
ここは収穫皆無になりそうな状態だと思います。見れば、向こうの2~3枚は緑がまだ残っているので、ひょっとしたらいくらかは収穫できるようになるのかなという気もしますけど、こればかりはちょっと分かりませんね

「山ゆり」は2022年8月の大雨で、約3,000万円の打撃があった。燃料費や電気代の高騰によって、厳しい状況が続く中での2年連続の被害に、関係者は肩を落としている。
農事組合法人山ゆり・伊藤武志代表理事:
ここが水が上がる危険があるほ場だということをもっと本当は認識して、何を植えたら良いのかとこれから考えなければいけない。我々では何もできませんので、どうしたら氾濫しないようにできるのかを、行政の方には考えてもらいたいと思っています
(秋田テレビ)