大雨によって佐賀・唐津市が出していた避難指示は7月18日、すべて解除となった。被災地では復旧作業が始まっているが、土砂崩れで自宅が倒壊し、今も先が見えない避難生活を余儀なくされている住民もいる。

大量の土砂が家を押し流した

1階部分がつぶれ、瓦屋根が地面についた家。

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自宅が倒壊・田中耕一さん:
もうどうしようもない。こんなふうになって…

唐津市浜玉町に住む農家、田中耕一さん(71)の自宅は、裏の斜面が崩れて倒壊した。

倒壊した自宅を前に当日の様子を語る田中さん
倒壊した自宅を前に当日の様子を語る田中さん

自宅が倒壊・田中耕一さん:
朝6時前ぐらいかな…。私がトイレに入っていて、水が出なかった、トイレを流すのが。おかしいなと思っていたらドーっと泥だけトイレに来て、風呂場に来てぐじゃぐじゃになって、私が泥だらけに全身なって飛び出てきて…

一緒に暮らす妻に状況を伝え、田中さんは外の様子を確認。すると約10分後、大量の土砂が家を押し流した。

自宅が倒壊・田中耕一さん:
敏子(妻の名前)!と呼んでも返事なく「死んだ」と思った。何回か呼んだら返事したので、「大丈夫ね?」と言ったら「うん」と。「動ける?」と聞いたら「動ける」と言った。あっちに隙間があって、はって出られるぐらいのところからはって家から出して…

「寝られない」避難生活

奇跡的に無事だった田中さん夫婦。一方、今も近くの集会所で避難生活を続けている。

自宅が倒壊・田中耕一さん:
やっぱり寝られない。午前2時か1時ごろ目が覚めて、そこから寝られない

食事はレトルトが中心、風呂は知人の家で借りているという。

自宅が倒壊・田中耕一さん:
ちょっと何も考えられない…。自分たちが住む場所を確保しないと…あんまり仕事も手に付かないですよ

避難生活も10日目。田中さんは唐津市からの提案で、今は使っていない小学校の旧職員宿舎に仮住まいすることを検討しているという。

(サガテレビ)

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