大雨被害に見舞われた秋田県内の各地で支援の輪が広がっている。
7月19日、秋田市の避難所にはキッチンカーが登場。温かい食事が提供され、市民がほっとした笑顔を見せていた。
避難所で味わえる“本格ピッツァ”
佐藤愛純アナウンサー:
秋田市の避難所の入り口にはキッチンカー、その前には長い列ができています。焼きたてのピッツァが振る舞われるということで、ピッツァの香りが漂っています

炊き出しを行ったのは、秋田市のナポリピッツァ専門店「Zecchini Pizza Bancarella(ゼッキーニピッツァ バンカレッラ)」。
店を切り盛りする大関真吾さんは、2023年に開かれたナポリピッツァ職人の大会で日本一に輝いた腕前だ。

ゼッキーニピッツァ バンカレッラ・大関真吾さん:
自分の店は被害がなかったのと、キッチンカーを持っていたものですから、何かできることはないかなと。タイトルを取らせてもらった責任もありますから、ナポリピッツァで社会貢献できたらという思いでやってみました

提供するのは、普段キッチンカーで提供しているマルゲリータ。大関さんが18日に、5時間ほどかけて162枚を仕込んだ。
焼きたてのピッツァを求め、近所の人が次々と訪れた。

男の子:
知り合いとか友達が食料を渡してくれて、そういうのを食べています

女の子:
(ピッツァ)楽しみです。みんなで楽しくワイワイしながら食べられるから、災害が起きたことを忘れられる

女性:
車も被災していて買い物に行けないので、こういうことを近くでやっていただけると大変助かります。温かい料理が食べられてうれしいです

男性:
しばらく幼稚園に行けなさそうでしたので、家で何かできること、楽しいことをさせてあげたいと思って、気分転換に子どもたちを連れて来ました

ーーこれから何食べる?
女の子:
ピッツァ!
大関さんは約3時間、訪れた人に温かいピッツァを届け続けた。店は今後も、被害に遭った地域を回ることにしている。

ゼッキーニピッツァ バンカレッラ・大関真吾さん:
片付けなど毎日大変で、憂鬱(ゆううつ)な思いになっていると思うのですが、あつあつのピッツァを食べてもらって、一時でも明るく楽しくなってもらえればと思います
SNSを利用していない人には「情報が届かない」
各地で支援の輪が広がっているが、情報が行き届かないという課題がある。

女性:
たまたま町内の子ども会の方が教えてくださった。なかなか情報もうまくつかめていない

男性:
妻がファンなので、それで朝、情報を妻から教えてもらった
ーー何を通して知りましたか?
男性:
ツイッターです

生活を支援する活動の情報はSNSが中心となっている。今回の大関さんもツイッターやインスタグラムで情報を発信し、それを見た人が情報を伝えたため、多くの人が温かい食事を味わうことができた。
SNSを正しく使うことで、個人で行う炊き出しや支援物資の供給などについての情報を得ることができる。

一方、SNSを利用していない人には情報が届かない・届きづらいという課題がある。支援を求める人・支援したい人がつながるよう、近所の人や町内会などで情報を共有することが大切だ。
(秋田テレビ)