夏休みのお出掛けにもピッタリの企画展が、高知城歴史博物館で開かれている。江戸時代の“お殿様の1日”をのぞいてみよう。

お殿様の歯磨きは1日1回だけ?

高知市の高知城歴史博物館で開催されている「大やまぴょんまつり」。

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博物館のマスコットキャラクター「やまぴょん」と4代目土佐藩主の山内豊昌が案内役となり、江戸時代の殿様が愛用した品など約60点を紹介している。

殿様が実際に使用していた枕を展示
殿様が実際に使用していた枕を展示

川辺世里奈アナウンサー:
殿様が実際に使っていた枕です。この展示では朝、日中、夕方から夜と、お殿様の1日を体験できます

お殿様の歯磨きは朝食“前”の1日1回だけで、木の繊維を割いた房ようじを使っていた。当時は虫歯になると歯を抜くしかなかったため、医者に“仕上げ磨き”をさせていたという。

江戸に派遣した家来から土佐藩主のもとに送られてきたのは、あの有名な“法令”に関する報告書で、「江戸城に向かう侍が乗っていた馬の脚元にハトが飛び込み踏まれて死んでしまった。侍は役人に捕まった」と記されている。

この事件が起きたのは、5代将軍・徳川綱吉が「生類憐みの令」を発令したすぐ後だった。動物を傷つけてしまった際の重要な判例になった。

高知城歴史博物館 資料学芸課長・藤田雅子さん:
特に将軍の出した御触れですとか政策は後々、「土佐藩も同じような対応をしろ」と言われることがあるので、高知にいながら全国に手紙を書いたりして、いろんな情報収集をしていたようです

うさぎの耳の形をした“かわいい”かぶと

会場でひと際目を引くのが、やまぴょんもかぶっている山内豊昌の「兎耳形兜」。戦にかぶるにしては“かわいい”が…。

高知城歴史博物館 資料学芸課長・藤田雅子さん:
戦国時代ごろから戦いの場所でいかに目立つかというので、奇抜なかぶとが作られるようになりました。このウサギの耳の形をしたかぶとも、そういったジャンルの1つになります

戦国武将・真田幸村の「鹿の角」や直江兼続の「愛」の文字をあしらったものなど、さまざまなかぶとがあるが、豊昌がなぜウサギを選んだかは不明だという。ただ、武将たちには大きな耳で情報収集し、ぴょんぴょんと素早く動くウサギにあやかりたいと評判だったという。

川辺世里奈アナウンサー:
会場にはクイズコーナーもあります。殿様といえば“まげ”のイメージですよね。では問題です。昔の人はどうしてこのような髪型にしていたのでしょうか?

正解は「頭が汗で蒸れるのを防ぐため」。

このほか、会場ではお殿様が描いた絵やお気に入りの置物などが展示され、当時の生活を垣間見ることができる。

神奈川から訪れた親子:
お殿様のリアルな日常が分かって、とても興味深かったです

高知城歴史博物館 資料学芸課長・藤田雅子さん:
お殿様ってどうしても“偉くて遠くにいる難しい人”っていうイメージがあると思いますけれども、こちらの展示をきっかけにちょっと身近な人として感じてもらえたらうれしい

この企画展は、高知市の高知城歴史博物館で9月4日まで開かれている。

(高知さんさんテレビ)

高知さんさんテレビ
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