秋篠宮家の次女・佳子さまは7月17日、ダンスコンサートに足を運ばれました。客席での様子や出場者との交流から、佳子さまのダンス好きな一面や、相手へのさりげないお心遣いが垣間見えました。
会場との一体感 黄色いタオルを振って「ultra soul!HEY!」
海の日の3連休最終日の7月17日、佳子さまは東京・渋谷区の東京体育館で行われた、障害者ダンス大会「ドレミファコンサート」を鑑賞されました。障害のある人も無い人も一緒にダンスを楽しむこの大会。佳子さまは2017年以来出席を重ね、今回が4回目の来場です。

小さな子どもから高齢者まで、幅広い世代が様々なジャンルのダンスを披露し、中には、平均年齢70歳、最高齢91歳のチアダンスチームの姿も。片足を頭に沿って大きく上げる「Y字バランス」のポーズを決めると、会場からはどよめきが起きました。
佳子さまは、説明役と話をしながらリズムに合わせて手拍子を取り、会場と一体となって、B’zの代表曲である『ultra soul』を口ずさみ、「HEY!」と黄色いタオルを振られる場面もありました。

ごく自然に楽しまれるお姿は場内の大型モニターに映し出され、会場の一体感が高まったように感じました。
ダンサー同志の共感と交流 「こう見えて実は私も・・・」
佳子さまは幼い頃からフィギュアスケートに打ち込み、学生時代にダンスに取り組まれた経験があります。

ダンス部の生徒との交流で「ダンスが好きなんですか?私も好きです」とダンスへの思いを率直に言葉にされていたこともありました。
観客としての楽しさだけでなく、本番に向けて練習を重ねてきた『ダンサー』側の思いも、手に取るように分かるのだと思います。

コンサート中、フラダンスチームの中高生が本番を終え、佳子さまの座席の下まで来て手を振ると、すぐに気づき笑顔で手を振り返された佳子さま。生徒達の「キャー」という嬉しそうな歓声が聞こえ、ダンサーの”先輩”と”後輩”の交流も垣間見えました。
全演目を鑑賞した後、佳子さまは出場した障害者のダンスチームの子ども達と懇談されました。

「練習は楽しいですか?」「好きな振り付けやポーズとかありますか?」などと質問し、「皆さんの素敵なダンスを見ることが出来てとても楽しかったです」と感想を伝えられると、子ども達から「楽しかったです!ありがとうございました」と元気な声が返ってきました。
また、緊張している様子を感じ「こういう場所だと緊張しますよね?」と声をかけられた佳子さま。「こう見えて、実は私も緊張するんです」と明かされ、場の空気を和げられました。
以前同じコンサートの懇談で、緊張して話せなくなるので、と障害のある女性から手紙を受け取り、丁寧にお礼を伝えられていたことを思い出しました。

公務の取材を通じて、佳子さまが緊張されていると感じたことはありませんでした。しかし、緊張を経験しているからこそ、相手の思いがよく分かり、気持ちが楽になるよう気遣われたのだと思います。実は、緊張をコントロールしながら日々行事に臨まれていることも伝わってきました。
「本当に来ることが出来てとてもうれしかったです」『多様性』を願う思い
今年の大会では、出場者はマスクを外し、皆一緒に歌う場面もありました。客席で見守られる佳子さまもノーマスクで、コロナ対策の変化を感じました。

様々な年代やジャンルのダンスチームが混ざり合い、障害のある人も無い人も音楽に合わせて思い思いに踊る様子はまさに『多様性』という言葉そのものでした。
「誰もが幅広い人生の選択肢を持てるようになること、自らの可能性を最大限に活かす道を選べるようになること、そしてそれが当たり前の社会になることを切に願います」
去年10月、ガールスカウトの行事での佳子さまのおことばです。

折に触れ、佳子さまは行事を通じて同じメッセージを繰り返し発信してこられました。
「誰もが生まれた環境や立場に制限されず、自分の希望することに取り組める社会であってほしいという思いは、佳子さまのライフワークのようなもの」
ある側近からこう聞いたこともあります。佳子さまは信念を持って、様々な活動に取り組まれているのだと思います。
年齢や障害やダンスの技術、様々な違いを認め合い、自分らしく踊って表現する人たちのエネルギーと多様性に満ちていたコンサート会場。3時間近くすべての演目を見守り、惜しみない拍手を送られた佳子さま。
「本当に来ることが出来てとてもうれしかったです」と述べ、会場を後にされました。
(フジテレビ社会部・宮内庁担当 宮﨑千歳)