今、人気の「クラフトビール」。鳥取・境港市で、全国でも初めてというユニークな新しいクラフトビールが誕生した。
原料に使われたのは、市内で生産される「白ネギ」。市の観光協会は、生産量は多いものの「境港産」の印象が薄い“隠れた特産品”の認知度アップにも期待している。

白ネギの種「ネギ坊主」が原料のビール

7月11日に鳥取・境港市で開かれた発表会には、鳥取県の平井知事も駆けつけた。そこでお披露目されたのは、8月に発売される新しいクラフトビール「境港シロネギエール ねぎ坊主」だ。

「ネギ坊主」を妖怪に見立てたイラストをラベルに
「ネギ坊主」を妖怪に見立てたイラストをラベルに
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ラベルには、妖怪のまち・境港らしく、「ネギ坊主」を妖怪に見立てたイラストもあしらわれた。

白ネギの種「ネギ坊主」
白ネギの種「ネギ坊主」

このクラフトビール「境港シロネギエール ねぎ坊主」の原料は「白ネギ」の「種」と、通常は廃棄されてしまう「ネギ坊主」の部分を活用した。鍋ものに欠かせない「白ネギ」の生産が盛んな鳥取県西部、中でも境港市は県内一の生産量を誇る。

鳥取県の平井知事
鳥取県の平井知事

試飲した鳥取県の平井知事も「とってもすっきりとして、柔らかい感じのビールに仕上がっている」と話した。

このクラフトビールは、境港観光協会が、「境港産」の白ネギを多くの人に知ってもらおうと、市内の食品メーカー・日本食品工業と共同で白ネギの新商品開発に取り組み、誕生した。

製造は、鳥取・米子市の醸造所「475BEER」に依頼、ネギそのものを原料にした“ネギ感”のあるビールを目指した。しかし、試作してみると、ネギの個性があまりにも強く、方向転換。「ネギ料理に合う」ビールとして商品化した。

原料も、ネギの種「ネギ坊主」の部分を活用することで、クセがなく、すっきりとキレのあるビールに仕上がった。

境港市の特産を「知ってもらいたい」

「ネギ坊主」は収穫までに摘み取られ、廃棄されるが、ビールの原料として活用することでSDGsにもつながり、一石二鳥の新商品になった。

開発を持ち掛けた境港観光協会の結城豊弘会長
開発を持ち掛けた境港観光協会の結城豊弘会長

開発を持ち掛けた境港観光協会の結城豊弘会長も「『境港シロネギエール』はネギへの応援であり、境港への応援。これで農家の高齢化を食い止め、白ネギを作ってみたいという人を増やしたい」と喜んだ。

このクラフトビール「境港シロネギエール ねぎ坊主」は、8月上旬から日本食品工業の通販サイトで販売される予定だ。

「ネギ」を原料にしたクラフトビールは全国で初めてだということで、観光協会は、斬新なクラフトビールをきっかけに、境港の“隠れた特産”白ネギにスポットが当たればと期待している。

(TSKさんいん中央テレビ)

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