暑さが厳しくなるなか「熱中症警戒アラート」が各地で出されるようになった。どんな基準があるのか、発令されたらどうすればよいのか。カギとなるのは手のひらで普段は開いていない血管、「抜け道血管」だ。

熱中症予防を呼びかける

熱中症警戒アラートは、熱中症の危険性が極めて高くなると予測された地域に予防を呼びかけるもので、屋外での運動などは原則中止が呼びかけられる「危険な暑さ」を表す。気象庁と環境省が前日の夕方5時と当日の朝5時に発表する。

熱中症警戒アラートは気象庁と環境省が発表
熱中症警戒アラートは気象庁と環境省が発表
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基準は「暑さ指数」

熱中症警戒アラートは、「気温」「湿度」「輻射熱(建物などからの照り返しの熱)」の3つを取り入れた指標で、これらを総合的にみて指数が【33以上】の場合に発出される。この「暑さ指数」を算出する際の割合は、気温が1・湿度が7・輻射熱が2と、湿度が重視されている。

暑さ指数をもとに発表 湿度が重要視される
暑さ指数をもとに発表 湿度が重要視される

【暑さ指数の目安】
 31以上:危険
 28以上31未満:厳重警戒
 25以上28未満:警戒
 25未満:注意

※環境省「熱中症予防情報サイト」で、主な地点の暑さ指数の実況と予測を見ることができる。

発表されたらどうする?

●外出を控え、暑さを避ける。
●子どもや高齢者など、熱中症になりやすい人へ積極的な声かけ。
●こまめな水分・塩分補給。
●昼夜問わず、エアコンをかけて涼しい環境で過ごす。

熱中症は室内でも注意

2022年の福島県内の熱中症患者のデータを見ると…発生場所として最も多かったのが「住居」 また、患者全体の約6割が高齢者だった。躊躇せずに、エアコンをつけるなどの対策を。

多くは住居で発症 高齢者の割合が高い
多くは住居で発症 高齢者の割合が高い

熱中症はもはや災害

「自然災害」と「熱中症」で亡くなった人数を比べてみると、過去5年間、熱中症での死者数が自然災害での死者数を上回っている。2018年から2020年は、熱中症で亡くなる人は1000人を超えている。

熱中症での死者が1000人を超える年も
熱中症での死者が1000人を超える年も

手のひら冷却が効果的

京都にある「サトウ血管外科クリニック」の佐藤院長に熱中症対策について伺うと、「手のひら」を冷やすことを紹介してくれた。脇や首筋を冷やすよりも、ずっと効果的だという。

サトウ血管外科クリニックの佐藤院長がすすめる「手のひら冷却」
サトウ血管外科クリニックの佐藤院長がすすめる「手のひら冷却」

抜け道血管を活用

腕から手にかけて動脈と静脈が走っている。普段、血液は動脈から指先の毛細血管へ向かう。しかし、急に体温が高くなると「抜け道血管」という普段開いていない血管が開く。血液は、毛細血管ではなく「抜け道血管」を通って直接静脈へ向かっていく。
そこで手を冷やすと、大量の冷えた血液が動脈から静脈に直接流れ、全身に行き渡るといったメカニズムだという。
指先にも血が渡るよう握ったり開いたりして、冷たくなったら反対の手に。こうすることで、より多くの冷たい血液を流すことができるそう。

手のひらを冷やし全身に冷たい血液を流す
手のひらを冷やし全身に冷たい血液を流す

冷たいものなら何でも

外出時は保冷剤を保冷バックに入れ携帯したり、冷えたペットボトルなど冷やせるものなら何でも良いということなので、大量に汗をかく前に10分くらい手のひらを冷やすとよいという。
まだまだ続く酷暑…対処法を覚えておくと安心だ。

(福島テレビ)

福島テレビ
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