7月10日、最高気温37.8℃で今年最高の気温を更新した、埼玉県熊谷市。
この記事の画像(22枚)埼玉県内では102人が熱中症で搬送され、その約6割は65歳以上の高齢者でした。
東京でも、練馬区で37.8℃を記録。今年初の猛暑日となりました。
都内では、10日午後9時の時点で、熱中症の疑いで男女134人が搬送、そのうち40代から80代の7人が重症です。
暑さを感じにくい…熱中症の6割が“高齢者”の理由とは?
そんな“危険な暑さ”に見舞われた日に、「めざまし8」が取材したのは、都内で1人暮らしをしている堀越善之助さん(83)。
堀越さんの家に訪れた際、午後4時を過ぎていたにもかかわらず、外は30℃超えの暑さが続いていましたが、取材班がまず気になったのは「室内の温度」でした。
Q.部屋がとても暑いですが、エアコンをつけていますか?
堀越さん:
いや、まだつけていません、今年は。あしたあたりにつけようと思うんだけどね。
Q.エアコンをつけない理由は?
堀越さん:
健康的に良いんじゃないかと思って。きょう暑かったね、本当にね。でも、ここは暑くても風通しがものすごくいいのよ。
クーラーが苦手だという堀越さんは、今年に入って一度もクーラーをつけておらず、扇風機もしまったまま。
熱中症予防のために、夜は水分補給を欠かさず、風通しを良くした上で寝ているといいますが、サーモカメラで室内の温度を見てみると、室内は真っ赤。
部屋全体が35℃以上になっていることが分かります。
堀越さん:
暑く感じないね。要するに暑いってことでしょ?それほど暑いとは思わないね。
試しにクーラーをつけてもらい、部屋の温度を下げてみました。しかし…。
堀越さん:
どっちかっていうと、冷房は嫌いなんだよね。あまり気持ちいいとか、そんなことを感じない。
クーラーの涼しさを「気持ちいいと感じない」という堀越さん。
実はここに、高齢者ならではの“注意するべき点”があると専門家は話します。
埼玉慈恵病院 藤永剛 副院長:
高齢者は熱中症に弱いですよね。暑い・寒いを感じにくくなる。特に「暑さ」が感じにくくなってしまうと、喉の渇きも感じにくくなってきますよね。だから熱中症になりやすい。
「暑さを感じにくくなる」という高齢者ならではの“熱中症リスク”。
藤永副院長によると、熱中症で運ばれる人の約60%が高齢者で、亡くなる人の80%が65歳以上だといいます。
倉田アナウンサーが遭遇した“熱中症”搬送の現場
10日、猛暑日を記録した都内では134人が熱中症の疑いで搬送されました。
その中の1件に、偶然「めざまし8」の倉田大誠アナウンサーが遭遇したといいます。
時刻は午後1時頃。「めざまし8」の放送後、帰宅するために住宅街を歩いていたところ、50~60代くらいの男性が、ひなたの歩道にあお向けの状態で横たわっていました。
男性はまぶたが小刻みにうごき、手足がけいれんしている状態。近くで工事をしていた作業員とみられる人々が、アクリルの板で日陰を作ったり、うちわであおいだりしていました。
倉田アナウンサーはとっさに近くの自販機で水を2本購入。男性の体を冷やすために、両脇に挟みます。
すでに駆けつけた人によって119番通報はされていましたが、「混んでいて時間がかかる」と言われ、通報から約8分が経過していたといいます。
実はこの日、都内の救急車(約280台)の出動率80%以上で発令される、「救急車ひっ迫アラート」が発令されていました。
そのこともあり、救急車のサイレンが聞こえても「別の患者の搬送中だった」ということが相次ぎ、結果、男性を運ぶ救急車が到着したのは、通報から約15分後のことでした。
これからまだまだ暑くなっていく季節、今後も十分に注意が必要です。
(めざまし8 7月11日放送)