自民党は、大阪の選挙で敗北を続ける中、次の衆議院選挙に向けて、6つの選挙区の立候補予定者を事実上「更迭」し、5日から公募を始めた。 しかし、党内からは不穏な声が聞こえてくる。
前回の衆院選"全敗" 「勝てない」候補者を更迭
5日、自民党本部のホームページに出現した「大阪を変える!」というメッセージ。 次の衆議院選挙に向けて、大阪の10の選挙区を対象に、候補予定者の公募を始めた。

背景にあるのは、選挙で敗北が続く「大阪自民」の苦境だ。
前回の衆議院選挙では、大阪の15の選挙区から立候補したものの、日本維新の会の候補者にまさかの「全敗」。
4月の統一地方選でも幹部が相次いで落選し、維新に歯が立たない状況が続いている。 こうした中、自民党の茂木幹事長らが4日発表したのが、今回の公募。 次の衆議院選挙で勝てる見込みが低いと判断した6つの選挙区の立候補予定者を、事実上”更迭”する形だ。

「勝てる見込みが低い」と判断された候補予定者たちは…
大阪4区・中山泰秀支部長:
なぜ公募を今更しなければらないのかということが1番大きな疑問点。実績や功績も加味して今回の公募の対象区を考えてくださっているんですか

大阪11区・佐藤ゆかり支部長:
この厳しい大阪の情勢の中で自民党を守ってきたのは、大阪11区の中においては、私佐藤だと

一方、大阪自民のトップ、谷川とむ府連会長は…
自民党大阪府連・谷川とむ会長:
本当に大手術的に何かを変えなきゃならないっていった時には、僕らも嫌ですけれど、やっぱり血を流さざるを得ないのかなと
しかし、当の谷川会長も、これまでの衆議院選挙では、維新の候補に小選挙区で4連敗中。 比例復活はしているものの、一度も勝ったことがない。

不満がくすぶる形となった今回の裁定に、大阪の地方議員からは…
自民党・鹿田松男大阪府議:
われわれの有権者でも、中山(泰秀)さん4区だから応援している人も多々いるので、仮に違う人になったら、応援してもらえるのかという不安も

ただ公募だけやっても… "選び方"を見せないとアピールできない
政治ジャーナリスト・鈴木哲夫さん:
留任は主流3派ですよね。実は自民党の公募は、2004年から始まっているんです。自民党は派閥や後継指名、2世とかに縛られることが多いですが、広く人材を集めて有権者の支持を集めないといけないという意見が出ていました。2004年に埼玉8区で事件があり、自民党の議員が辞職して、そのあと出馬しても負けるとして、誰も候補者が立たなかった。そこで初めて公募をしました。

政治ジャーナリスト・鈴木哲夫さん:
しかし、公募をしてもどうやって最後絞り込むかが各都道府県連で違うんです。今回も最後どうやって審査するのかというと、選考委員会が第一次で書類審査、第二次で面接審査。これってどうにでもなると思われてしまうのではないでしょうか。最後選ばれた人がもっとオープンな形で選考する形を見せないと、ただ公募だけやっても選び方を見せないとアピールできない。この部分が大阪府連にかかってくる部分だと思います

事実上「更迭された」立候補予定者も応募できるという今回の公募。 6人全員が応募する意向だということだが、この立て直し策は、どんな影響を与えるのか。
(2023年7月5日 関西テレビ「newsランナー」放送)