廃棄されるパンを減らそうと、宮崎市にある人気のパン屋さんがある取り組みを始めた。お店にとっても、お客さんにとってもうれしい食品ロスを減らす取り組みとは。
梅雨は1番ロスが出る時期
宮崎市東大宮にあるパン屋さん「Bread&Butter」は、硬い触感のハード系のパンなどが人気のお店だ。

テレビ宮崎・秦萌アナウンサー:
朝ごはんにもおやつにもぴったりなおいしそうなパンが並んでいます。でも実は、お店は閉店間際で売れ残ってしまうパンなんです。これでも少ない方だそうです

Bread&Butter・原敬店主:
日によって売れ筋も変わるし、波がある。売れないのは雨の降った日ですね

晴れた日には行列ができるこのお店。しかし、梅雨の時期は不安定な天気のため、パンを買いに来る客が少なく、1年で最もロスが出やすいのだそう。取材した日の前日は大雨。大量のパンが売れ残っていた。

Bread&Butter・原敬店主:
深いケース2つと浅いケース1つ。2日分です。水曜、木曜だけで。ロスが出るともう絶望ですね。捨てることに慣れてくる自分も嫌になってくるし…
「ロスパン」を冷凍・箱詰め
廃棄されるパンをどうにか減らせないかと、店主の原さんは、2022年12月にパンのお取り寄せサイト「rebake」に登録した。まだ食べられるのに廃棄せざるを得ない「ロスパン」を冷凍・箱詰めして届ける仕組みで、店頭価格より25%以上安く購入できる。

このサイトには、北海道から沖縄まで約1,000店のパン屋さんと約16万4,000人の消費者が登録している。日々の状況によって「ロスパン」の数や種類が変わるため、どんなパンが送られてくるかは届いてからのお楽しみだ。

Bread&Butter・原敬店主:
売れなかったら泣きたくなるけど、rebakeのお客さまが待ってると思えば「まあいいか!」って(笑)
さらに、全国へと売り出すチャンスにもなったという。

Bread&Butter・原敬店主:
リピートしてくれるお客さんが結構いる
――遠方の方ですか?

Bread&Butter・原敬店主:
和歌山県の方に5回目を発送した
ロスを気にせず店頭にパンを
「rebake」の売り上げの一部は、食料廃棄を減らす活動や環境問題に取り組んでいる団体に寄付される。

Bread&Butter・原敬店主:
廃棄も減らせてお客さんにも喜んでもらって社会貢献もできるので、みんなが幸せになれるシステムでいいと思って。本当はお店で売り切りたいが、すでに待ってらっしゃるお客さまがいるので、お店の分を強気に作って、もし余ったらrebakeでお待ちのお客さまに喜んでいただけるように頑張っていきたい

店主の原さんは、「rebake」を始めてからはロスを気にせず、店頭にたくさんのパンを並べられるようになったと話す。「もったいない」をおいしく減らすこの取り組みをぜひ活用してみてはいかがだろうか。
(テレビ宮崎)