毎月仕送りをしてくれる親からの、あるメッセージがTwitterに投稿され話題になっている。

大学入学以来毎月末に仕送りをしてくれている親、送金名義欄に毎回メッセージを書き続けてくれてたことに今さら気がついてボロボロ泣いています。記帳の習慣がなくて今まで気づけなかった、今度ちゃんとお礼言おう

このようなコメントとともに投稿されたのは、2枚の写真。銀行などで仕送り(振り込み)をする際に、依頼人名を記入する振込人名義欄。そこに名前ではなく“メッセージ”を書いていたのだ。

振込人名義欄に書かれていたメッセージ

2022.06.24「ヤサイタベナサイヨー」
2022.12.23「イチネンツテハヤイネー」
2023.02.24「セイジンオメデトウ」

提供:佐伯亜香里さん
提供:佐伯亜香里さん
この記事の画像(10枚)

2023.03.24「ハヤクモサンネンセイダネ」
2023.04.26「ツユノマエニコロモガエヨ」
2023.06.23「ヨクネテナツバテヨボウ」

提供:佐伯亜香里さん
提供:佐伯亜香里さん

投稿したのは、大学生3年生の佐伯亜香里さん(@chachakari2104)。

「野菜食べなさいよー」と食生活についてや「梅雨の前に衣替えよ」と生活の知恵など、メッセージからは、離れて暮らす娘(佐伯亜香里さん)を応援する親の愛情や心配な様子が伝わってくる。

(画像はイメージ)
(画像はイメージ)

名前を記入する欄の粋な使い方に、「少ない文字数の中に愛情が詰まっていますね」「電報と同じぬくもりを感じる」「素敵な親御さんですね」などとコメントが寄せられ、12万1000いいねが付いている(7月3日時点)。

毎月全ての仕送りにメッセージ

全てカタカナのメッセージを見て、電報を思い出す人もいたようだ。メッセージには、「1年って早いねー」から「早くも3年生だね」とあったが、どんなきっかけで気づいたのだろうか?

佐伯亜香里さんに話を聞いた。

ーーいつ気がついた?

スマートフォンの通帳アプリにて残高を確認した際、ふと明細履歴を閲覧し、初めて気が付きました。


ーー大学入学から毎月、毎回メッセージがあったの?

毎月の全ての仕送りにメッセージが添えられていました。

2023年5月「ソロソロツユノキセツダネ」6月「シユウカツフアイトオ」(提供:佐伯亜香里さん)
2023年5月「ソロソロツユノキセツダネ」6月「シユウカツフアイトオ」(提供:佐伯亜香里さん)

ーーメッセージは誰が書いている?

母が書いてくれたものです。

(画像はイメージ)
(画像はイメージ)

ーーどのくらいの期間、気が付かなかったの?

現在、大学3年生。大学入学後2年と3カ月ほどたちますので、その間ずっと気が付きませんでした。

「セイジンオメデトウ」が心に染みた

ーーメッセージに気がついた時、どう思った?

私が返事やリアクションをしていなかったにもかかわらず、それでもずっと書き続けていてくれたこと、字数制限のある中で毎月メッセージを考えていてくれたことに深く感動し、今まで気が付かなかったことに少し寂しく申し訳なくなりました。

また、大学で文学を学んでいる身としても、こういった文字でのやりとりのあたたかみを実感でき、嬉しくもありました。

2022年10月「コロモガエハスンダノカ」11月「キインサイタノシカツタナー」(提供:佐伯亜香里さん)
2022年10月「コロモガエハスンダノカ」11月「キインサイタノシカツタナー」(提供:佐伯亜香里さん)

ーーメッセージについて、これまでに両親は何か言ってきた?

一度も言われませんでした。両親とはこの話をできておらず、おそらく私のツイートのことも知らないかと思うので、何も言われておりません。


ーーお気に入りのメッセージはある?

私が20歳になった2月のメッセージの「セイジンオメデトウ」が最も心に染みました。

2023年2月、20歳になった時のメッセージ(提供:佐伯亜香里さん)
2023年2月、20歳になった時のメッセージ(提供:佐伯亜香里さん)

ーー他にはどんなメッセージがあったの?

2021年2月「ヒトリグラシオメデトウ」
2021年3月「イヨイヨダイガクセイタ」
2021年4月「シツカリジコカンリシテネ」
2021年6月「セツドアルクラシヲシヨウ」
2021年7月「シケンノアトハナツヤスミー」
2021年9月「マイニチヲタノシンデネ」
2021年10月「ヒトリジカンヲタイセツニ」
2021年11月「モクヒヨウタイセツニ」
2021年12月「ヤツタネフユヤスミダ」
2022年2月「キソクタダシククラソウ」

今後はメッセージに関する話題で連絡

ーー両親はどんな人?

一人娘の私を愛情深く育ててくれました。九州から独り立ちする際にも応援してくれて心強く感じていましたが、もしかしたら母も寂しかったのかもしれないと、今回の件で感じました。

提供:佐伯亜香里さん
提供:佐伯亜香里さん

ーーどうして名義欄にメッセージを書いたと思う?

本人に聞けていないので分かりませんが、もしかしたら、私が毎月記帳を怠らないようにという意味もあったのかもしれません笑


ーー仕送りの入金時は、いつも連絡はしているの?

LINEにて母から「振り込んどいたよー」などの連絡が来て、それに対して残高を確認した私が「ありがとう」と答える、などの簡単なやりとりのみでした。

2022年7月「シケンハドウカナーー」8月「ジユウジツノナツヲ」(提供:佐伯亜香里さん)
2022年7月「シケンハドウカナーー」8月「ジユウジツノナツヲ」(提供:佐伯亜香里さん)

ーー今後は、メッセージについて何かする?

仕送りのメッセージを今後はすぐに確認して、LINEなどの連絡ツールで返事を送るか、それに近い内容の話題を出すなどしようと思っています。

まだメッセージについては、母親に何も伝えられていないという佐伯亜香里さん。これからは、毎月メッセージを添えてくれたこと、仕送りをしてくれていることに改めて感謝を伝えたいと話していた。

このステキなエピソードを通じて、自分の親との関係に思いをはせるきかっけとなっただろう。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。