長野市にある絵本専門の図書館で給食の提供が始まった。隣の認定こども園の給食を余らせないためのフードロス削減と図書館のカフェメニューの充実を図る一石二鳥の取り組みだ。1食500円で先着順、早くも子育て世代に好評だ。
絵本専門の図書館
長野市川中島町に2022年オープンした絵本専門の図書館「絵本ノ在ル所」。
2000冊以上に上る蔵書はすべて絵本。一般的な図書館は静かにしなければいけないが、自由に読み聞かせができる。
この日はカナダ人講師による英語の絵本の読み聞かせイベントが行われていた。
子育て世代は無料で利用できるということで、人気の施設となっている。

図書館で「給食」
午前11時半すぎ、図書館内のカフェスペースに運ばれてきたのは「給食」。
この「給食」、図書館で作っているわけではない。
図書館は同じ敷地にある、認定こども園「フレンドこども園」が運営している施設で、すぐ隣で園児たちが元気に過ごしている。
図書館で提供されている給食は、認定こども園から運ばれてきたもの。取り組みのきっかけは、園ならではの悩みにあった。
フレンドこども園・北沢陽 園長:
当日になってみないと子どもの休みの人数がわからなかったりですとか、食材の都合もありますので、なかなかピッタリ用意することができない現状があった

認定こども園がフードロス対策
園では毎日、園児と職員の分、合わせて300食の給食を調理スタッフが作っている。
しかし、休む園児もいるため、毎日10食前後は廃棄せざるを得ない状況だった。
フレンドこども園・北沢陽 園長:
ずっともったいないなと、これ何とかできないのかなと。せっかく食育とかで子どもたちに食事の大切さ、材料の大切さを教えているのに、捨ててるのはどうなのかなという思いはずっと持っていた

1食500円で先着順
一方、図書館のカフェは、メニューがパスタなどに限られていた。
そこで、フードロス削減と図書館のカフェメニューの充実を図ろうと、余った給食を「日替わりメニュー」のような形で提供することを決めたのだ。
1食500円で先着順。
13日の献立は、ご飯、酢の物、豆腐とエノキのスープ、カレイの煮つけ、そしてサクランボ。
5月に始めたばかりだが早くも好評で、この日も6食がすぐに完売となった。

一石二鳥の取り組み
給食の廃棄はなくなり、図書館の利用客にも好評。
一石二鳥の取り組みだ。
フレンドこども園・北沢陽 園長:
私自身もホッとしたというか、使い道があってよかったなと。「親子で園で食べている給食を食べられて本当にうれしい」なんて声も聞こえてくる。非常にやってよかったなと思っている
(長野放送)