千葉県山武市の住宅地の先に広がる、砂浜のような台地。

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そこから、強い風の影響で、土ぼこりが絶えず近隣の住宅に向かって吹き付けています。

この映像は、去年7月8日に撮影されたもの。この日は風速11.4mの風が吹き荒れていました。

住民(男性):
乾燥し始めると、もう砂埃が立ってかなりすごいです。砂嵐みたいな感じになりますね。

住民(女性):
私、もう本当に憤慨して、何度も何度も電話したけど、なんにも答えてくれない。

怒りをあらわにする近隣住民
怒りをあらわにする近隣住民

まるで“砂嵐”のようだと住民が怒りをあらわにするのは、窓の外に広がる光景です。

ディレクター:
上から見てみますとかなりの広さがあります。

幅およそ100m、長さ200m。

積み上げられた土砂は、高いところでおよそ3mにも達しています。

現場は、九十九里浜から500mほど内陸に位置した場所にあり、海から強い風が吹くことがあります。

高く積みあがった土砂
高く積みあがった土砂

去年3月、千葉県山武市が所有する土地を、市は大規模な土砂置き場に転用、大量の土砂が運び込まれました。

住民苦悩の“砂嵐”の原因は…市が運び込んだ大量の土砂

近隣住民(女性):
砂といっても普通の砂じゃないんだよ。黒っぽいみたいな。

風の強い日は舞い上がった砂の影響で白い袋や数日前に掃除したばかりの窓のサッシが砂まみれに…。

窓のサッシに溜まった砂
窓のサッシに溜まった砂

近隣住民(女性):
もうずっと閉めっぱなしです。砂ぼこりでね、開けられないんですよ。

閉めた窓を開けたら
閉めた窓を開けたら

ほかの住宅では家の中にまで砂が入ってきてしまうため、1年ほど窓を開けることができないといいます。

近隣住民(女性):
外に干さないでうち干しにしてるよ。

住民の多くは、洗濯物は部屋干しを余儀なくされています。

さらに、住民を困らせているのは「雨水」。

土砂置き場には、排水の施設がなく、大量の雨水が住宅の方へと流れ出てくるというのです。

近隣住民(女性):
これ崩れるのよ。雨降れば。本当に怖いよ。

この土砂置き場については6月15日、市議会でも取り上げられました。

小山和典議員:
昨年3月から7月の間に3mもの高さの土砂が搬入され、近隣住民から洗濯物の汚れや、家の中に砂が入ってくるなどの苦情が後を絶ちません。

近隣住民からの苦情について話す小山和典議員
近隣住民からの苦情について話す小山和典議員

なぜ、市はこの土地に土砂を搬入したのか?

なぜ、市はこの土地に大量の土砂を搬入したのでしょうか?元々、この土地は池と湿地があった場所で、一部の住民から「悪臭がするので池を埋め、湿地も土で覆ってほしい」との要望を受け、市は埋め立てを決定。

その後、山武市が土砂置き場として利用することを決め、地元業者に委託して土砂の搬入が始まったといいます。

実際に搬入が始まった去年3月に、市側から何か通知はあったか? というめざまし8の質問に対しては…。

近隣住民(男性):
ううん、そんなこと聞かなかったですよ。こんな埋めるとは思わなかったんですよ

近隣住民(女性):
一年前だったかしら?入院してたのよ。帰ってきたら、これがいきなり積んであるわけよ。びっくりしちゃって

土砂置き場とすることについて、住民への説明会などはなく、工事がはじまってからも書面や看板でのお知らせなどもなかったといいます。

千葉県山武市役所
千葉県山武市役所

千葉県山武市:
住民からの埋め立て要請をきっかけとした土砂の搬入だったので、(当時の担当者は)住民説明会などを開かなかったのかもしれません。説明不足でした。

今後、市は土砂の一部搬出の方針も含め、飛散を防ぐ対策を講じることを検討していくとのことです。

(めざまし8 6月20日放送より)