ペットボトルのリサイクルについて、山形・尾花沢市と大石田町が大手飲料メーカーと県内で初めて協定を結んだ。取り組むのは「水平リサイクル」だ。

ゴミ・CO2削減 「リサイクルの輪」が続く

6月19日に協定を結んだのは、尾花沢市・大石田町と大手飲料メーカーのサントリーグループで、家庭から出されたペットボトルのリサイクルに共同で取り組む。

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尾花沢市・結城裕市長:
ぺットボトルの再生先が明確に見える化され、市民・町民のリサイクル意識の向上が図られると期待している

取り組む「水平リサイクル」は、ペットボトルから再びペットボトルを作るリサイクルで、こうした協定を自治体が結ぶのは県内で初めてだ。

従来は、ペットボトルから食品トレーや衣類など別の製品にリサイクルされるが、最終的にはゴミとなり、焼却などをする必要が出てくる。

それに対して水平リサイクルは、ペットボトルを工場で再びペットボトルに作り変え、再び飲料を入れて販売することで、リサイクルの輪が続くことになる。ゴミが減ることはもちろん、原料から新たにペットボトルを製造する際に出るCO2も削減できるメリットがある。

サントリーHD・藤原正明常務執行役員:
CO2の削減が、石油由来と比べて60%下がるといった点も含めて、これを社会の中に広めていくことで、循環型社会の形成に寄与していきたい

500ml入り約200万本分のリサイクルに

国内のペットボトルのリサイクル率は約86%と、アメリカやヨーロッパと比べ高い水準だが、水平リサイクルは約20.3%にとどまっている。

サントリーは、2011年からこの水平リサイクルに取り組み、2030年までにすべてのペットボトルを、リサイクルしたものか植物由来のものにする目標を掲げている。2022年は全体の約46%をリサイクルなどで賄ったが、さらにペットボトルを確保するため、これまで全国85の自治体と同様の協定を結んできた。

尾花沢市と大石田町では年間合わせて40トンのペットボトルを収集していて、これらをすべてリサイクルできれば500ml入りで約200万本分になる。

大石田町・村岡藤弥町長:
市民・町民は、リサイクルをさらに推進する観点から、引き続き分別のルールの徹底への協力をお願いしたい

他社のものでもサントリーのペットボトルに再生できるという。事業の開始は2024年4月を予定していて、円滑にリサイクルを進めるため、それぞれの市と町は、ラベルとキャップを外し、ボトルをすすいでから出してほしいと呼びかけている。

(さくらんぼテレビ)

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