本格的な夏を前に、鳥取・岩美町の浦富海岸に新たな海のアクティビティが登場した。名付けて「マンタフライヤー」。独自に開発したフィンを腕に取り付け、海の生き物「マンタ」のように泳ぐことができる。世界初、ここだけの体験で、屈指の透明度を誇る山陰海岸を堪能する。
マンタのように海を「飛ぶ」道具
岩美町の浦富海岸。ユネスコ世界ジオパークにも登録されている山陰屈指の景勝地だ。

透明度の高い海はダイバーたちを魅了、シーカヤックなどの体験スポットとしても人気だ。

TSKさんいん中央テレビ・山下桃アナウンサー:
「渚交流館」では、新しいマリンアクティビティの開発に成功しまして、世界中でここだけの体験だということです

岩美町の「渚交流館」。ここを拠点に世界初のアクティビティを体験させてくれるのは「鳥取県自然体験塾」の久保内修介さんと長谷川浩司さん。

これまでにも、浦富海岸の自然を体感できる様々なアクティビティを企画している。その2人が今回、独自に開発したのが「マンタフライヤー」。その名の通りマンタのように、海を「飛ぶ」道具だ。

カーボンの板を樹脂に固定して腕にとり付ける、翼のようなフィンの開発に成功した。

鳥取県自然体験塾・久保内修介さん:
海の中で遊んでいるときに、ちょうど「トビエイ」が向こうからゆったりと飛んできて、すれ違ったんです。非常にきれいだったので、フリーダイビングもいいけど、「トビエイ」になりたいなと思って
開発に費やしたのは約10年、形や素材など試行錯誤を重ねたという。
TSKさんいん中央テレビ・山下桃アナウンサー:
両腕つけるとかっこいいですね。見た目よりは重さがあるなという印象です

鳥取県自然体験塾・長谷川浩司さん:
水の中に入れば、そこまで感じないです
フィンを装着しジオパークの海へ
ウエットスーツに着替えたら、出発。シーカヤックに乗って、おすすめスポットを目指した。

ジオパークの海を間近に感じることができるのも、カヤックならでは。今回の体験のお楽しみポイントだ。

スポットに到着すると、両手・両足にフィンを装着し、いざ、海へ。水泳の経験がある山下アナウンサーだが、水中ではフィンがより大きく感じられ、初めはぎこちない泳ぎになってしまった。

だが、慣れてくるとコツをつかみ、フィンを使いこなせるようになった。

TSKさんいん中央テレビ・山下桃アナウンサー:
フィンを付けると、力がいらなくてよく進みます。速いですね。自分の速さとは思えないくらい、速いです

まるで「飛ぶ」ように、魚やクラゲなど海の生き物と一緒に泳ぐ感覚を味わった。一方、開発者の久保内さんは「水中宙返り」も披露した。

上級者になるとシュノーケリングだけでなく、フィンを付けて深く潜ることもできる。海洋生物さながらの泳ぎだ。

鳥取県自然体験塾・久保内修介さん:
人間ってなかなか空を飛べませんけど、水中だったら「はばたく」という楽しみができる。ぜひ楽しんでいただけたらと思います。ゆくゆくは、鳥取から世界へという感じで

世界初の体験「マンタフライヤー」。透明度が自慢の岩美の海に、また、新たな楽しみ方が誕生した。
久保内さんらは、道具の商品化も検討している。腕だけの力で泳ぐことができる「マンタフライヤー」を通じて、障害がある人にも海のアクティビティを楽しむ機会が広がるかもしれない。
(TSKさんいん中央テレビ)