「樹氷」を作る木・アオモリトドマツの、害虫による立ち枯れ被害が深刻化している。「樹氷復活へ」再生に向けた取り組みとして14日、アオモリトドマツの種まきが行われた。
約2万3000本が立ち枯れ
樹氷を作る木・アオモリトドマツは、温暖化が原因とされる虫による食害で、立ち枯れが深刻化している。
リポート:
蔵王ロープウェイの山頂駅です。ここから山の上の方を見上げると、ほぼすべてのアオモリトドマツが葉を落とし枯れてしまっています

やまがた森林管理署の調査では、全体の2割近くにのぼる約2万3,000本が枯れていることが明らかになった。

こうした中、2022年度に発足した「樹氷復活県民会議」の2回目の活動として、アオモリトドマツの種まきが行われた。種まきには行政や観光業界などの関係者、約40人が参加。標高約1,400メートルの場所に800個の種をまいていった。

リポート:
アオモリトドマツの種を、耕した土の上に一粒一粒まいていきます。約1カ月で芽が出てくるそうです
越冬成功は4割 成長は年に1センチ
まいた種のうち、発芽し無事に冬を越せるのは全体の約4割。1年に1cmから2cm成長するアオモリトドマツは、約20cmになるとようやく山頂付近に植え替えができるという。

参加者:
種を見るのは初めてだった。冬を超えるのは40%しかないということだったので、大事に育ってもらいたい
樹氷は資産 再生活動は今後も継続
県エネルギー部みどり自然課・岩月広太郎課長:
樹氷は冬のシンボル的な存在、県民にとっても大切な資産だと思っている。時間はかかっても戻していきたい

樹氷復活県民会議では今後も、蔵王に自生している若いアオモリトドマツを、立ち枯れが深刻な山頂付近に植え替えるなど、再生活動を続けていくことにしている。
(さくらんぼテレビ)
この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。
ギャラリーページはこちら(11枚)