大分県大分市で50年以上の歴史がある小学生の吹奏楽クラブ。少子化やコロナ禍など、ここ数年いろいろな問題が重なりメンバーが減ってしまったという。メンバー不足の解決策として先生が提案したのが“二刀流”。ピンチを楽しくカバーしようという小学生たちを取材した。
新チームは6人からのスタート
保護者からピンチのメッセージが届いたのは2022年のことだった。
「6年生9人が卒団すると、部員が6人に。新入団員を増やすことが急務なんです…」
ウインドアンサンブル荷揚。大分県大分市で50年以上の歴史がある小学生の吹奏楽クラブ。かつての荷揚町小学校の児童で結成したのが前身だが、今はいろんな学校のメンバーが所属している。2004年にはチェコのプラハで演奏を披露したこともあり、コンクールでは毎年優秀な成績をおさめている。

少子化、コロナ禍、練習場所問題。ここ数年はいろいろな理由が重なってメンバーが減り、6年生が卒業したこの春は、わずか6人になってしまった。
フルート担当 りお(5年生):
人数が少ないので楽器も少なくなったので、その分メロディーが少なくなってきているので合奏がみんなでできるか心配でした。

保護者会 福田美智子会長:
6人で何ができるんだろうっていう不安は多分みんな持ってたと思います。
イベントの時にチラシを配ったり保護者の皆さんのつながりで声をかけたりして、なんとこの春、8人の新入部員が加わった。

「祥子先生」はクラブの大先輩
指導をしているのは「祥子先生」こと、佐藤祥子さん。大学でトランペットを学んだ。このウインドアンサンブル荷揚、30年前のOG。
佐藤祥子先生:
音がたくさんあるほうが音に厚みが出て、仲間は増えたけれどもまだ足りません。

なんとか14人まで増えたものの、半数以上がこれから楽器を始める部員たち。メンバー確保の課題はまだまだ続く。
少人数を“二刀流”でカバー
新入部員を引っ張っていかなければならない、これまでいた6人のメンバー。4年生の「やま」はフルート担当。祥子先生はこの日、メンバー不足の解決策として「やま」に二刀流を持ちかけた。
佐藤祥子先生:
彼、フルートがしたいって言ってフルートをしてたんですけど、彼の仲いい先輩がドラムセットをしていて、春に卒団してしまっていなくなって、どうしようかなと思ったときに彼にちょっとお願いしてみようかなっていうのが今日だったんですけど。

バンドのピンチは「やま」も分かっていた。
佐藤祥子先生:
これから練習していけば絶対できる!うん、やっていこう!ボトムラインのドラムセット、おねがいしていい?
フルート担当 やま(4年生):
両方とも練習して、大谷さんみたいな完璧な二刀流になりたいです。

楽しく、そしてみんなでカバーしてひとつの音へ。ウインドアンサンブル荷揚、今年度のチームがスタートした。
(テレビ大分)