福島県福島市を拠点に活動し、アジア人初の偉業達成した世界的なエアレースパイロット・室屋義秀さんが、次の世代を担う人材を育成しようと2023年にスタートしたのが「レース・パイロット・プログラム」 全国から志を抱き集まった32人、過酷な審査を経てパイロット候補生として最終的に残るのは2人ほど。すべてを賭け夢に挑む若者たちを取材した。

世界チャンピオンを目指して

体重の何倍もの重力に耐え、高速度で繰り返すアクロバット飛行。その舞台に魅了された32人が全国から集まった。

「R・P・P=レース・パイロット・プログラム」に全国から32人の参加者
「R・P・P=レース・パイロット・プログラム」に全国から32人の参加者
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室屋義秀さんは「候補生たち全国から来るので、福島を知ってもらう。そして世界に持って帰ってもらう きっかけにもなるかと思っている。我々が目指す先は5年後のデビューだし、その先のワールドチャンピオン」と話す。

エアレースパイロット・室屋義秀さん「目指すは5年後のデビューその先のワールドチャンピオン」
エアレースパイロット・室屋義秀さん「目指すは5年後のデビューその先のワールドチャンピオン」

女性パイロットの間口を

候補生の小網いつきさん、25歳。室屋さんのエアショーを目の当たりにし、心を動かされた一人だ。
「飛行機だったら男の人と対等に戦えるかなと思って。もしも上手く通ったら、パイロットを長くやって。パイオニアじゃないけど、もっと女性のパイロットに対して間口を広げるというか、女性もできるよと広めたい」と小綱さんは語る。

候補生・小網いつきさん(25)室屋さんのエアショーに心を動かされる
候補生・小網いつきさん(25)室屋さんのエアショーに心を動かされる

憧れを現実に

福島県内に住む候補生の宮田翔さんは「高いレベルだなと感じている。負けてるところあるかもしれないが、気持ちだけはいけるところまでついていこうかと思っている」と話す。
幼い頃から抱いていた”憧れ”を”現実”にしようと挑戦した。「まずキャンプを全てクリアしてレースパイロットとなり、将来は世界チャンピオンとなれるようなパイロットを目指す」と宮田さんは語る。
中には現役の競輪選手も…新たな一歩を踏み出そうとしている。

候補生・宮田翔さん 幼い頃から抱いていた”憧れ”を”現実”にしようと挑戦
候補生・宮田翔さん 幼い頃から抱いていた”憧れ”を”現実”にしようと挑戦

過酷なテスト 辞退者続出

プログラムは、各キャンプごとに体力や適性を審査。合格者だけが次に進むことができる。32人の候補者全員が合格した「キャンプ1」しかし「キャンプ2」に臨んだのは18人。過酷なテストに辞退者が続出した。

各キャンプごとに体力や適性を審査 合格者だけが次に進む
各キャンプごとに体力や適性を審査 合格者だけが次に進む

通常は10年以上かかる、エアレースパイロットの訓練。プログラムでは、その期間を出来る限り縮め、5年後のパイロットデビューを目指している。

32人から18人に 通常10年かかる訓練を5年でデビューを目指す
32人から18人に 通常10年かかる訓練を5年でデビューを目指す

一つでも達成できなければ脱落

「キャンプ2」は前回と同じ体力測定を行い、課題にどれほど真剣に取り組み、成長したかを見極める。ただし、提示された基準を1つでも達成できなければ、そこで脱落となる。

提示された基準を1つでも達成できなければそこで脱落
提示された基準を1つでも達成できなければそこで脱落

3キロ走でトップの記録を出した横川明昌さん。ソフトボール投げでは、基準に5メートル届かず、ここでプログラムを終えた。

3キロ走でトップもソフトボール投げでは基準に届かず終了
3キロ走でトップもソフトボール投げでは基準に届かず終了

キャンプ2 通過は13人

世界で戦うために求められるコミュニケーション力。そして、論理的な考え方や協調性。すべて室屋さん自身が、エアレースパイロットとして必要と考える能力だ。

英語での会話も コミュ力・理論的な考え方・協調性も審査される
英語での会話も コミュ力・理論的な考え方・協調性も審査される

最終的に「キャンプ2」を通過したのは13人。8月には実際に飛行機に乗り、適性を審査する。

候補生・小網いつきさん:もっと自分をアップデートしていけるように、初心に戻って努力していきたい
候補生・宮田翔さん:今回までの積み重ねてきたことは正しかったんだなと思いまして、引き続きこの調子で。またはさらに高いレベルを求めて取り組んでいこうと思います

キャンプ2通過は13人 8月には飛行機に乗り適性審査
キャンプ2通過は13人 8月には飛行機に乗り適性審査

室屋義秀さん:キャンプ3までの課題は、もう出してある。それを日々こなしていくことが大事なので、そこだけ我々見ています。日々頑張ってくださいと言うしかないですね

エアレース・パイロットを目指して、最終的に残るのは2人ほど。熾烈な選考が続く。

(福島テレビ)

福島テレビ
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