政府は9日、2021年度の食品ロス量が推計で前年度に比べ1万トン増の523万トンだったと発表した。データを取り始めた2012年度以降で最少だった前年度から横ばいとなった。コロナ禍前の2019年度(570万トン)と比べると47万トン減となっていて、前年度に続き、飲食店の営業自粛など新型コロナウイルスの影響を受けたとしている。
総量523万トンのうち、事業系食品ロス量は前年度より4万トン増の279万トン、家庭系食品ロス量は3万トン減少し244万トンだった。
事業系食品ロス量のうち、食品製造業は4万トン増の125万トン、食品小売業は2万トン増の62万トン。増加の理由については、コロナ禍で行動制限が度々変わったため需要の変化を読み切れず、予測とのぶれが食品ロスに繋がったと分析されている。
家庭系食品ロス量の内訳をみると、野菜の皮を厚くむき過ぎるなど食べられる部分が捨てられている「過剰除去」(34万トン)や「食べ残し」(105万トン)は減少している一方、未開封の物が食べすに捨てられた「直接廃棄」(105万トン)は横ばいだった。
食品ロスの総量523万トンを人口で割ると、1人当たりの食品ロスは約42kg。1日当たりでは約114gで毎日茶碗1杯分の米と同じ量の食品が無駄になっている計算だ。
政府は2030年度までに食品ロス量を2000年度比で半減となる年間489万トンに減らす目標を掲げている。