福島第一原発の処理水をめぐり、IAEA=国際原子力機関は、政府が海洋放出の前提としている「包括報告書」の取りまとめに向けた調査を行った。

IAEAの職員やフランス、韓国など複数の国の専門家で構成された調査団は、2日までの5日間の日程で、経済産業省や東京電力の関係者などとの会議の他、福島第一原発での現地調査を行った。

調査団はこれまで、処理水の安全性に関するものなど、複数の報告書を公表していて、今回はそれらを総括する「包括報告書」の取りまとめに向けた調査のために来日していた。

5月31日に公表された報告書では、タンクに貯蔵されていた処理水を去年3月に採取して分析した結果、東京電力による放射性物質の測定は正確だったと評価している。
IAEAは「包括報告書」を今月公表する予定で、政府はこれを受けて、夏頃までに処理水の海洋放出を開始する計画だ。