東京・町田市で起きた暴力団幹部射殺事件で、逮捕された男と被害者の間に、金銭トラブルがあったとみられることが分かった。男は、コーヒーショップの店内で拳銃を発射した後、外に逃げた被害者を、さらに追いかけて発砲したとみられている。

店内で銃撃、さらに追いかけて発砲

この事件は、今月26日午後7時半すぎ、東京のJR町田駅近くの飲食店で、特定抗争指定暴力団・山口組系極粋会の鈴木英東(ひでとう)幹部・51歳が、拳銃で撃たれた死亡したもの。

発砲事件が起きた現場(26日夜 東京・町田市)視聴者提供
発砲事件が起きた現場(26日夜 東京・町田市)視聴者提供
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現場は、駅前のロータリービルに入居するコーヒーショップ。誰もが知るコーヒーチェーン店だ。金曜日の夜の店内で、鈴木幹部は、少なくとも3発撃たれたという。

その後、店の外に逃げた鈴木幹部を、犯人の男は、執拗に追いかけたそうだ。そして、20メートルほど離れた場所で、再び、発砲したとのこと。鈴木幹部は、ロータリーのエスカレーター付近で、血まみれの状態で倒れていたという。

「最近、こういう事件が多い。怖い」

鈴木幹部は、首や腹などを撃たれていた。病院に運ばれたが、午後9時過ぎに死亡が確認された。現場からは、男が車で逃走したのが目撃されていたという。まるで映画のような現場の様相に、目撃者からは「最近、こういう事件が多い」「日本も怖いなと思った」などの声が聞かれた。

銃刀法違反の疑いで送検される佐々木容疑者(58)(28日 町田署)
銃刀法違反の疑いで送検される佐々木容疑者(58)(28日 町田署)

警視庁暴力団対策課は、殺人事件として捜査本部を設置。ところが、同日午後11時ごろ、隣の神奈川県警伊勢原警察署に、男の声で「町田の関係で出頭する」と電話が入ったという。

そのおよそ30分後、職業不詳の佐々木誠容疑者(58)が、徒歩で、伊勢原署に出頭。佐々木容疑者がは、拳銃1丁を所持していたため、銃刀法違反の現行犯で逮捕された。実弾は装填されていなかった。

個人的な”金銭トラブル”原因か

調べによると、佐々木容疑者は、かつて暴力団組員だったという。鈴木幹部の間には、金銭トラブルがあったとみられている。暴力団同士の抗争事件ではなく、個人間のトラブルの可能性がある。

佐々木容疑者と被害者の鈴木幹部の間には、金銭トラブルがあったとみられている。
佐々木容疑者と被害者の鈴木幹部の間には、金銭トラブルがあったとみられている。

佐々木容疑者は、事件当日、話し合いをするために、コーヒーショップを訪れ、鈴木幹部と少し会話を交わした後、いきなり発砲したとみられている。

佐々木容疑者が所持していた拳銃が、町田市の射殺事件で使われたものかどうか、現在、鑑定作業が進められていて、暴対課は、殺人容疑も視野に捜査を進めている。

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社会部
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