GW中に石川県で大きな地震が発生したが、5月に入って最大震度4以上の地震が日本各地で起きている。能登“震度6強”のきっかけは「流体」と見られているが、流体が原因の地震はどんなところで発生するのか、専門家に聞いた。

「流体」原因の地震はどこで起きる? 「南海トラフ地震」はいつ起きる?

この記事の画像(7枚)

京都大学 防災研究所 西村卓也教授:
日本のあちこちで流体が関与しているだろうと考えられる地震があるんですけれども、近畿で言いますと、和歌山県の北部であるとか、あるいは兵庫県や大阪北部のあたりも、流体が上がりやすい、流体があるんじゃないかと考えられてる所がありまして、こういうところが1つポイントかなと思います

Q.南海トラフ巨大地震も流体が関係するのか?

京都大学 防災研究所 西村卓也教授:
流体と言っているのは、元々海の水がほぼ原因ですので、特に南海トラフの周りはもう海の底ですから、水がいっぱい地下の断層に取り込まれて、流体がいっぱいあると考えられています。ですので、南海トラフ地震も、流体が何らか関係して起こる地震と言っていいと思います

京都大学 防災研究所 西村卓也教授:
南海トラフの地震というのは、陸と海のプレートの境目に起こる地震なんですけど、海の水がプレートの中に取り込まれて、流体がいっぱい入ってきていまして、そういうものが地震のきっかけとなるんじゃないか

京都大学 防災研究所 西村卓也教授:
流体がなくてもプレートの動きによって地震は起こるんですが、動くきっかけを作るのが流体ということです。 プレートは年間6センチとか一定の速度で動いていますが、プレートの動きによって、ギュギュと押された時に、そこから水が入ってくると、それがきっかけでズルッと滑る。きっかけを作るものなんですね

Q.地震はいつ起こるか分からず、備えが大事ですよね?

京都大学 防災研究所 西村卓也教授:
そうです。特に南海トラフ地震の場合、広域に被害が及びますので、なかなか救助の体制も整わない。まずは自分でできることをしていただく、備蓄とかしていただくのが重要だと思います

南海トラフの「巨大地震」が起きるなら何年後なのか

Q.南海トラフ巨大地震が起きるなら何年後なのか?

京都大学 防災研究所 西村卓也教授:
なかなか難しい問題です。10年後かもしれない、50年後かもしれない。一つ言えるのは、確実に南海トラフ地震は将来起こるということです。我々の観測しているデ-タを見ましても、日本列島は南海トラフに押されて歪んで力を蓄えている状況です。いつか耐え切れなくなって、跳ね返るのが南海トラフ巨大地震です。状況は進んでいます

Q.南海トラフ巨大地震 前兆は何かあるか?

京都大学 防災研究所 西村卓也教授:
はっきりと分かるというのはなかなか期待できないですね。地震の後に調べてみて、これが前兆だったかもしれないと思われる現象というのは、いくつかあるんですけれども、それを事前につかまえることは、まず難しいと思っていただきたい。地震の予知・予測は現状できない、南海トラフ地震も予知できないんだと思って備えていただくことが重要です

あらためて「命を守るために必要なこと」を教えてもらった。

京都大学 防災研究所 西村卓也教授:
まず、地震の揺れの瞬間に身を守れるようにするということです。そのためには、家具の固定であるとか、寝る場所に注意して倒れてくるものがある所に寝ないということが重要です。南海トラフ地震の場合は、備蓄、食料、飲料水、そういうものも重要だと思います

地震研究は日々進化しているが、まず私たちの備えをしっかりとしておかなくてはいけない。

(関西テレビ「newsランナー」2023年5月17日放送)

関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。