G7広島サミットを前に、5月12日、岸田文雄首相がTSSの単独インタビューに応じた。10分間という短い時間だが、スケジュールの合間を縫ってインタビューに応じたのはサミットへの意気込みの表れでもある。

被爆の実相に触れることが「原点」

岸田文雄 首相:
核兵器のない世界へ向けてのあらゆる取り組みの原点・基本になるのが、被爆の実相に触れてもらうことであると思っています。具体的にどういった日程で何をするか、おそらくサミット当日ギリギリまで調整が続くものだと思います。人類の未来に向けて核兵器のない世界を作らなければいけない、こういった思いを共有してもらえればと心から願っております

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東京の首相官邸前から、取材した若木記者。

若木憲子 記者:
総理はいつもと変わらず淡々とした口調でしたが、改めて、限られた日程の中ではありますがG7各国の首脳に被爆の実相にしっかりと触れてもらい、核兵器のない世界に向けた機運を醸成するきっかけにしたいと強調していました

ロシアが核兵器使用をちらつかせ、核抑止力の強化を叫ぶ国もある中、“核兵器のない世界”という最終目標に向けて核兵器を持つアメリカ、イギリス、フランスを含むG7の首脳がどのような道筋を見いだせるのか。岸田首相の手腕が問われる。

岸田首相が広島入り 現地を視察

インタビューの翌日、岸田首相が広島に入り、平和公園やサミットの関連施設などを視察した。
岸田首相は13日午後、G7広島サミットのメイン会場となる広島市南区のグランドプリンスホテル広島を視察。警備にあたっている警察や海上保安部の職員を激励した。

また、廿日市市の宮島を訪れ、厳島神社を視察。

その後、広島市中区のグリーンアリーナに開設されるメディアの取材拠点「国際メディアセンター」の開所式にも出席した。

「国際メディアセンター」の開所式
「国際メディアセンター」の開所式

開所式では広島県知事や広島市長など地元の関係者を前に、サミットの成功に向け協力を呼びかけた。

岸田文雄 首相:
日本の歴史において、最も重要なサミットになると感じています。ぜひこの歴史的なサミットを成功裏に開催いたしますことをお誓い申し上げて、ご挨拶とさせていただきます

裕子夫人と平和公園でG7首脳ら出迎え

広島市の平和公園を視察した岸田首相は、19日のサミット初日に平和公園でG7各国の首脳夫妻を裕子夫人とともに、出迎えることを明らかにした。

広島市の平和公園を視察する岸田首相
広島市の平和公園を視察する岸田首相

岸田文雄 首相:
19日サミット冒頭、訪日するG7の首脳夫妻を平和公園で私自身が家内とともに出迎えることを予定しています

岸田首相はこのように述べ、サミット初日に平和公園を訪れる際には、原爆慰霊碑への献花や原爆資料館の見学も調整している。また、最終日の21日にもインドや韓国など招待国8カ国の首脳や国連など国際機関のトップとともに平和公園を訪れるということだ。

被爆の実相に触れたG7首脳がどんなメッセージを発信するのか、注目される。

(テレビ新広島)

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