新型コロナの扱いが、8日から季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行した。高齢者施設などの対応にも様々な変更点が。8日、5類移行を一つの区切りとしてあるルールを変える決断をした、大阪市内の特別養護老人ホームを取材した。

家族の日常が少しずつ戻る

午前11時、女性が入居している母親に会いに施設を訪れた。

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面会に訪れた女性:
これまで思うようには会話させていただくことが難しくて、やっと制限なしで会えるということなので

この施設では、7日までは週1回15分、1家族2人までと面会を制限していたが、8日からは自由に面会できるようになった。

面会に訪れた女性:
「お母さーん、お母さーん。起きて」寝ちゃってますね…今までは10分程度ですね。こうやって寝ちゃってるときは、会ったって感じがしないですね。起きるまで待ってるってことはできなかったので。これからは目覚めるまで、そばにいることができるので嬉しいです

97歳のお母さんに会いに来たこちらの男性は、これまでは、面会の回数や人数に制限があったため、会えない週もあった。

母との面会に訪れた男性:
今までやったら「兄貴(今週の面会)行ったんか?」って聞いて、「行った」って言ったら、「じゃあ来週にするわー」って。(週1回の)ローテーションだったけど。もうこれからはね、(みんなが)バッとこれるからね。やっぱり妹が(面会)行ったら、おふくろ、顔が違うもんねぇ。喜んでるもんねぇ

入所者の母親:
女の子は1人やからね

会う機会が減っていたことでこんな影響も…

特別養護老人ホーム悠の里・石村裕子施設長:
この3年間で、(認知症などが進んで)残念ながら家族様の存在をなかなか認識できなくなられた方も、正直いらっしゃると思います。その中で、そういった時間の回復、思い出の積み重ねを今後、職員とともに歩んでいきたいと思っております

引き続き面会をする時にはマスクは着けるなどの感染対策に気を配る必要はあるが、離れてしまっていた家族の日常が少しずつ戻ってきそうだ。

一方で、新型コロナウィルスが私たちの社会からなくなったわけではない。

専門家からはこんな指摘も…

国立感染症研究所 脇田隆字所長(4月19日):
5月の連休明けに感染が拡大をして、夏に向けて感染が拡大することもあり得る

今後「第9波」が起き、「第8波より大きな規模になる可能性も残されている」との見方もある。新型コロナの扱いが5類に変わったが、ウイルスが急に変化したわけではない。適切な感染予防は今後も必要だ。

(関西テレビ「newsランナー」2023年5月8日放送)

関西テレビ
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