大分県国東市で5月4日、18歳を対象にした成人式が行われた。成人年齢の引き下げに伴い、初めて18歳の成人式を開いた国東市。18歳で成人式を行うことについて市が過去に中高生を対象に実施したアンケートでは約7割が「20歳がよい」と回答したという。

“18歳の成人式”開催

5月4日、大分県国東市で行われた“18歳の成人式”。対象となったのは、2023年3月までに18歳になった208人で、進学や就職などで忙しい年度末などではなく集まりやすい連休期間中に式が行われた。

式では新成人を代表して橋本彩凛さんが「夢を描くことや感謝をすることを忘れず、輝いている姿を見せることを約束します」と誓いの言葉を述べた。

新成人代表の橋本彩凛さん
新成人代表の橋本彩凛さん
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式の対象年齢引き下げは全国で3市町のみ

法務省などによると、全国では法改正後も20歳を対象にしたまま、成人式の名称を「20歳のつどい」などと変更して実施する自治体が大半だ。

対象年齢を引き下げた国東市のような自治体は、ほかに宮崎県美郷町と三重県伊賀市だけで、全国3市町のみだという。このほかに北海道の別海町も引き下げる予定だったが、町民を対象にしたアンケートの結果「18歳は進学や就職で忙しい。やめてほしい」と約8割が反対したため、すでに方針を転換している。

国東市成人式
国東市成人式

中高生対象のアンケート 約7割が「20歳がよい」

18歳で成人式を行うことについて、国東市も2020年度と2021年度に市内の中高生にアンケートを実施した。その結果、対象年齢については約7割が「20歳がよい」と回答したという。

しかし市は「成人を祝うと同時に、責任と自覚を持ってほしい」として、2022年4月に成人式の対象年齢を引き下げることを決めた。

2022年度に18歳になった新成人は高校卒業後のタイミングで式を行うとしたほか、まだ成人式を挙げていない19歳もしくは20歳となった人を対象に2022年8月に式を開催した。

国東市成人式
国東市成人式

一連の対応を巡っては、市議会でも、参加者や対象者にアンケートを取るべきだという指摘が出ており、国東市はさらに調査を続けている。

市は、2022年と2023年の成人式の参加者や、2024年以降に対象となる国東高校と杵築高校の生徒、合わせて約600人を対象に、対象年齢や開催時期の希望についてアンケートを取っている。

2023年2月に初当選した松井督治市長は、3月の市議会で「早急に調査を行い、その結果を踏まえて『20歳の集い』の開催についても判断したい」と答弁している。市の担当者も、「調査結果を踏まえてよりよい成人式の在り方を検討していきたい」と話した。

(テレビ大分)

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