2023年に入り、下がることなく高騰を続ける「卵」。4月の基準価格の平均は過去最高を記録する事態となっている。卵を使うメニューを休止する飲食店が増える中で、“卵が欠かせない”飲食店の苦悩を取材した。
1月にオープンした途端、卵が高騰
5月1日の卵相場は、Mサイズ10個入りが基準値で355円、4月の平均基準値も過去最高となる355円を記録した。
2023年になって、卵を使うメニューを休止する飲食店が増加している。そんな中、卵を使わざるをえない店もある。
ポークたまごおむすび「結」・三ツ井和彦 社長：
「ポークたまごおむすび」とうたっていますので、卵なしではうちの商品は成り立たないですね
「ポークたまごおむすび」は沖縄のソウルフードで、ポークランチョンミート（豚肉の加工品）と卵焼きをご飯でサンドするおにぎりのこと。具材には、分厚い卵焼きが欠かせない。
沖縄で人気のポークたまごおむすびの専門店が、2023年1月、広島市内にオープンしたのだが…オープンした途端、卵が高騰し始めた。
しばらくは値上げできず…
ポークたまごおむすび「結」・三ツ井和彦 社長：
卵焼きは衛生環境の整ったメーカーにお願いして、安心して口にできる卵焼きを作ってもらっています。メーカーも最初の値上げ幅からするとだいぶ努力されましたが、それでも2割近く上がっていますので、しんどいのはしんどいです
おにぎりに使用する米は東広島市豊栄町の農業法人から仕入れている。素材と衛生面にこだわり、基本スタイルの「プレーン」が250円、「エビマヨ」270円、「牛カルビ」300円など手軽に買える価格設定。すべての商品にポークと卵焼きが入っている。
オープンしたばかりのこの店では、値上げに踏み切れない事情があるという。
ポークたまごおむすび「結」・三ツ井和彦 社長：
オープンしたてで、値段もどんどん告知していたので…。1人でも多くの人に食べてもらいたいと思いますから、サイズを小さくするのもなかなか難しいのが現状です。できる限りは頑張って、しばらくの間は値上げをせずにやっていこうと思います
コロナ禍に追い打ちをかける卵の高騰「エッグショック」。飲食業界が脱コロナで復調の兆しを見せる一方で、エッグショックが大きな影を落としている。
（テレビ新広島）
