卵不足や原材料の高騰が続く中、広島の名産品「もみじ饅頭」にもその影響が出ている。洋菓子店では、バターを大豆原料の代替品にして、いかに味を落とさず、菓子作りを続けるかの試行錯誤が続いている。その現場を取材した。

卵が命の「もみじ饅頭」 コロナ、物価高騰、鳥インフルのトリプルショック

卵不足と物価の高騰は「もみじ饅頭」にも影響を及ぼそうとしている。

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宮島 藤い屋 デザイン室・原紺修二郎さん:
卵を切らすことはないのですが、カツカツの状態で、生産には支障が出ないように、業者から提供してもらっている

もみじ饅頭を作るにはたくさんの卵が必要。

Q:卵をどれくらい使うのですか?
原紺さん:
もみじ饅頭の成分のおおよそを占める部分で使っています

その卵の高騰は今も続いている。
原紺さん:
卵の値段は例年に比べると高く、倍くらいの感じになっている

値段高騰に加え、今起きている事態…それは、品不足だ。

原紺さん:
新規の卵の発注は、ちょっと難しい状況。春先から夏の追加の商談に関してはお断りさせていただいているなど影響が出ている

コロナ禍の3年間でお土産の需要は激減。さらに、ロシアのウクライナ侵攻による世界的な物価高騰と鳥インフルエンザによる鶏の殺処分の影響という、トリプルショックで卵をめぐる状況は厳しさを増している。

物価の優等生といわれる卵。それだけに事態は深刻だ。

Q:卵は想定外でしたか?
原紺さん:
想定外ですね。そこはまさかという所でしたけど。色々な資材が上がる中で、卵の部分は大丈夫だろうと思っていたのが、こういった事態になって、ちょっと難しいなという所は感じている。今からサミットもあって、お土産需要も増えるかと思うが、そこでうまく回せていければと思っているが…

洋菓子はバターの代わりに豆乳で新商品開発

卵以外にも様々な原材料が高騰する中、洋菓子店では…

バターの代わりに大豆を原料とした材料を使い新商品を開発中だ。

ポールキャトラー・藤本梨恵オーナーパティシエ:
初めてなので分かりませんよ。どんなものができるか。卵が入っていないタイプのクッキーの生地をこれに置き換えて、牛乳を入れていたのを豆乳にします

バターに比べると見た目は白っぽい感じ。冷凍の状態から温めずに使うなど、バターとは扱い方がずいぶん違うようだ。

上がバター、下が大豆原料
上がバター、下が大豆原料

Q:硬い感じがしますか?
藤本さん:
でもいけそうですね。混ざっている。冷蔵庫から出したてで。…すごいいけますねこれ

しかし、生地を泡立てたいのだが、なかなか泡立ってくれない。
藤本さん:
バターで、もしやっていて、この状況だったら、ちょっと温めてますけど
Q:温めてはいけない?
藤本さん:
ダメみたいだし、よく分からないから、どうしようかな…。もうちょっと待ってみようかな…

こちらの商品はバターに比べると安い価格で手に入るという。
藤本さん:
7割くらい
Q:30%オフくらい?
藤本さん:
はい

温めたいのを我慢して待つと、やがて生地が泡立ち始めた。
藤本さん:
問題は味。どんな味がするのですかね?

泡立ってきたら、小麦粉、砂糖、豆乳などを入れて混ぜ合わせて生地が完成。

藤本さん:
ちょっと焼いてみましょう。出来立てですけど

果たしてどんな感じなのか?試しに出来立てを焼いてみる。

藤本さん:
うんおいしい。いきましょう、これ。いきましょう。これ、いけますね。おいしい。新商品いきましょう

卵不足と価格高騰がお菓子作りにも影響を及ぼす中、それぞれの現場では、材料を変えるなど、ぎりぎりの工夫と努力が続いている。

(テレビ新広島)

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