子供たちが感じる素朴な疑問を解決する「教えて!石川さん」今回は、8歳の男の子からよせられた「1カ月は30日と31日があるのはなぜ?」と言う疑問。調べてみると、昔の王様による「まさか」の理由で決められていたことがわかった。

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今回、疑問を寄せてくれたのは、石川県野々市市に住む8歳の清水耀翔くん。

向山侑希アナウンサー:
耀翔くんが不思議だなと思った疑問を教えてください。
耀翔くん:
1カ月は30日と31日で別れているのはなんでですか?ややこしくて覚えられないから、いつもママに聞いてしまうんです。

耀翔くん、何月が30日で、何月が31日なのか覚えられず、毎月お母さんに聞いてしまうそうだ。

取材班が向かったのは、石川県金沢市にある「銀河の里キゴ山」。宇宙にまつわる様々なことを模型や展示で学んだりプラネタリウムや天文台で星を観察できたりする施設だ。

教えてくれたのは、宇宙や星に詳しい田井和基(たい かずき)さん。

田井さん:
太陽や地球、月が関係しているんです。

私たちが普段使っている「ひと月」1カ月という数え方は、元々は月の満ち欠けで決められた。月の形が見えない新月から始まり、満月になり…、そしてまた月の形が見えない新月に戻る。この新月から次の新月へと一周するのにかかる日数を1カ月とした。

新月から新月になるまでは、29日と半日かかる。29日と半日が12カ月分集まると354日となり、1カ月を19日と半日、1年を354日とすることになった。これが「太陰暦(たいいんれき)」だ。

一方、地球が太陽のまわりを1周するのに365日ほどかかる。つまり四季は365日で1周する。365から354を引くと11日足りない。と、言う事は3年経てば33日、つまりおよそ1カ月あまり、本当の季節からずれてしまうのだ。したがって夏なのに、暦の上では秋ということが起こってしまう。

そこで、季節のズレをなくすために昔の人は、13番目の月を作った。3年に1度、13番目の月を入れることで、季節と暦がズレない様に調整していたのだ。

しかし、その調整もやっかいだと考え、3年に1度あった13番目の月に加えていた日数、約11日分をすべての月に1日ずつ割り振ったのだ。そのため、30日と31日の月ができたのだという。

向山アナ:
30日と31日の月ができたのはいいものの、順番がバラバラですよね?それは、なぜなんですか?
田井さん:
これは日本に入った時からバラバラだったんです。最初は31日と30日は交互にあったそうなんですけど、太陽暦を決めた王様の誕生日が8月だったんです。31日の大の月、30の月を小の月とすると、8月は当時、小の月だったんですね。そうしたら王様は自分の月が小の月なのはおかしいって言い出して、8月を大の月、今の31日にかえたそうです。

なんと!8月生まれの王様が元々は、30日しかなかった8月を「わしが生まれた月なのになんで31じゃないのじゃ!」と言い出したことから8月が31日となり、30日の月と31日の月がバラバラに並んだと言うのだ。

このようにして決まった今のカレンダーを日本は明治6年の1873年に導入。今年は、今のカレンダーになってちょうど150年という記念すべき年でもあるんです。

でも、カレンダーをよ〜くみると2月は28日までしかない!これはいったい何故なんでしょうか。

国立天文台で暦について研究している柴田さんに聞いた。

柴田さん:
古代ローマ時代までさかのぼる必要があります。その時代には初期の頃に使われていたロムルス暦というものがあって、今の2月にあたるものは無かったんです。

なんと昔は、2月がなかったのだ。約2800年前に、古代ローマで使われていたのは現在のカレンダーの元のひとつになったと言われるロムルス暦。ロムルス暦は、1年が10カ月しかなかった。当時は農業を軸に考えていたので、1年は種まきの3月から始まり、収穫を終える12月まで。農業をしない2カ月間、今でいう1月と2月はカウントしなかったそう。

その後、色々と不便だったことからヌマ暦では、今の1月と2月を付け加えました。ということで、この時の1年は農業が始まる3月がスタート、2月が1年の終わりだったんです。

ただこの時、1年が365日より日数が少なかったため、1年の終わり2月の日数を減らして調整したと言う。

柴田さん:
そのあとカエサルという偉い人が月の並び方を変えました。その時にその短い月が今の私たちが見ている2月の位置に変更になりました。

カエサルによって2月は、最後の月から2番目の月になりましたが、日数は変わらなかったため今も28日のままなのだ。つまり、2月が28日までしかないのは…昔は2月が1年の終わりの月でその時に2月で1年の日数の調整をしていた名残が今も残っているからということなのだ。

(石川テレビ)

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