石川県金沢市のうどんのチェーン店「お多福」その中でも、粟崎店は他とはちょっと変わっている。中心となるメニューは、丼。とりわけ天丼が人気なのだ。そこには、店主のこだわりがあった。

うどんのチェーン店だけど丼が人気

名物のげそ天丼
名物のげそ天丼
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お多福粟崎店 店主・宮地和一さん:
天丼屋さんって、あんまりいなかったんですね。それで(天丼に)特化していったほうがいいということで力を入れていったのが今に至るということなんですけどね

お多福粟崎店、店主の宮地和一さん。粟崎店のナンバーワンはげそ天丼。

ひとくち大のイカゲソとねぎのかき揚げを使った丼だ。

店は、店主の宮地和一(みやじかずいち)さん。

妻の寿和子(すわこ)さん。

そして、2代目となる息子の孝幸(たかゆき)さんで切り盛りしている。

竹内章アナウンサー:
オープンしてもどれぐらい立つんですか?
お多福粟崎店 店主・宮地和一さん:
44年たちました。

竹内章アナウンサー:
もともとどこで修行していたんですか?
和一さん:
問屋町店ですね。そこで4年くらい修行して、粟崎店に店長として来て2年やって、この店を買い取って独立しました。

両親もお多福の店を営んでいたというが、親元を離れて修業したいと、問屋町店で修行した和一さん。その後、粟崎店に移り、25歳の時に店を買い取ったという。その時、すでに寿和子さんと結婚していたそうだが、当時の様子を聞くと…。

寿和子さん:
大変でした。

一方、息子の孝幸さんは、店に入って21年。

孝幸さん:
親の代で終わらすのもさみしいなあと思って。

孝幸さん
孝幸さん

竹内アナ:
やっぱりお父さん、お母さんは嬉しかった?
和一さん:
それは嬉しいですよね。それと基本、気心がお互い知れとるからね。喧嘩もするけど、まぁ、同じ方向を向いている。忙しくなろうとかね。その点に関してはあまりぶれないですね。

竹内アナ:
普通、お多福って言うと、うどんとかのイメージなんですけど…この粟崎店に関しては、本当に丼が有名ですね。

和一さん:
時代の流れもあって、生きていくためには、何か特徴のものを見つけなくてはと、(丼に)力を入れていったら、お客さんの支持を少しずつ得て、今に至りましたね。

竹内アナ:
名物のげそ天丼は昔から変わらない?
和一さん:
(タレが)少しずつ、味が変化しているんですよね。

名物のげそ天丼。実はタレが昔のものはさらっとしていたが、今はごはんに絡みやすいように改良を重ねてきたそうだ。

竹内アナ:
これが秘伝のたれ?
和一さん:
砂糖、醤油、みりん。自分のところのだしとか…。
竹内アナ:
だしねぇ!うどんのだしっていうのは、こちらの店のだしだから。
和一さん:
そこが、(他の店では)真似できないんですよ。

具材のメインとなるのは、紋甲イカの足。ゲソ。

孝幸さん:
体がもうすごいでっかくて、足でもこういう大きいサイズ。それを茹でて使ってますね。
竹内アナ:
「げそ天」向きなんですね。
孝幸さん:
食感もいいのでね。それを一口大にしてねぎとかき揚げにします。

 

ひと口大に切り分けたゲソとネギを小麦粉にくぐらせ、それを揚げていく。

竹内アナ:
何分くらいあげるんですか?
寿和子さん:
音と感覚を頼りに揚げるんで、時間とかはわからないですね。

味の変化を加えながら44年間、継ぎ足し継ぎ足し、守り続けてきた秘伝のタレをかけると、お多福粟崎店のナンバーワン「げそ天丼」の完成だ。

竹内アナ:
げそ天丼ですから、げそから頂きます。

竹内アナ:
げそのプリプリ感が…。すごくプリプリしているんですね!
和一さん:
それが命ですね。

竹内アナ:
そして、僕ね、このげそ天丼。何が良いって、ネギね。このネギ天がたまらなく好きなんです。

竹内アナ:
ネギって揚げると甘みを増すんですか?
和一さん:
かなり(甘みが)出ると思います。

2023年で45年目となるお多福粟崎店。いずれ孝幸さんが受け継ぐことになるが…。

和一さん:
それがいつになるやらね(笑)

竹内アナ:
2代目という事で今後、こんなお店にしていきたいとか考えていますか?
孝幸さん:
幅広い年代の方に来ていただけるようなメニューとかを提供できると良いですね。

天丼のタレは、毎日6リットルも作っていると言う、名物の天丼。金沢に来た際には、海鮮丼と言わずに、一度訪れてみてはいかがだろうか。

(石川テレビ)

石川テレビ
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