がん患者が仮想空間に自分の分身「アバター」をつくり、悩みなどを共有する新しい「がんサロン」の準備が福井で進んでいる。脱毛や体調不良で現実世界での行動が制限される患者も多い中、場所を移動せず気軽に参加できるこのサロンに注目が集まっている。

仮想空間に入り込んで意見交換

プロジェクトを立ち上げたのは、拠点を持たずにSNSやカフェなどでがん患者の交流の場をつくる「ヨリドコ」と、福井市のIT企業「江守情報」だ。

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がん患者の中には抗がん剤の副作用による脱毛や、病気による体調不良などで、現実のがんサロンに通いたくても足を運べない人がいるという。

この問題を解決するために選んだのが、アバターを使う仮想空間だ。
仮想空間に自分の“分身”をつくると、現実世界の動作はそのキャラクターに反映される。

アバターなら見た目の変化を気にしなくていい
アバターなら見た目の変化を気にしなくていい

また、仮想空間であれば、見た目を気にする必要はなくなる。またカメラ付きのデジタルデバイスがあれば、自宅や部屋を出ることなく意見交換できる。

若いがん患者がつながる場を

4月20日はアバターのがんサロンが試験的に公開され、実際のがん患者や福井の医療関係者らがオンライン上で参加した。

ヨリドコ・加藤瑞穂さん:
コロナ禍でがんサロンが開催できない中で、人とのつながりや思いを共有できたりする場をつくれたらいいなと思った。若い世代でがんになる人に、どうしたらつながる場をつくってあげられるかと考えたときに、デジタルやテクノロジーの力を使うと距離や時間を気にせずに交流できる

今後、運用面などの充実を図り、1年以内の実用化を目指す。

(福井テレビ)

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