毎年、全国でトップクラスの結果を残している石川の子供たち。2023年も小学6年生と中学3年生を対象にした国の全国学力テストが行われた。だが、馳知事からは、県内の小中学校で行われている事前対策に苦言も…。今年はどうだったのか?取材した。

毎年全国トップクラスの石川…背景には過度な事前対策?

文部科学省が全国の小中学校を対象に実施している全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストが実施された。

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今年は全国にある小中学校のおよそ97.9パーセント、あわせて約2万8000校あまりが参加。県内では小学校202校、中学校85校のあわせて約2万人が、小学生では国語と算数、中学生は国語と数学、英語の各教科でテストに挑んだ。

去年の県内の平均正答率は小学生で算数が全国1位、国語は全国2位。中学生は国語と数学、いずれも全国で1位だった。各学校や教育委員会では今回の結果を基に指導の充実や改善に役立てることにしている。

この学力テストをめぐり、元文部科学大臣を務めた馳知事は、2022年、次のように苦言を呈していた。

馳浩石川県知事:
過去問調査を私は厳しく指摘しましたが、点数を上げるだけが目的じゃないわけですから、やはり年間の授業の取り組みといったものがキチッとされているかということも現場を所管する教育委員会の皆さまにも意識してもらいたい。

根が深い学力テスト…ヒートアップしているのは僅かな県だけ

と、言うのも県内の小中学校では学力テストの順位をキープするために対策授業が過度に行われていたと言われている。

石川県教職員組合 谷内直執行委員長:
学校側は平均点がしっかり出ますから、教育委員会からもそういう学校だと思われるので。教育委員会が「対策をしなくていい」と言っても学力調査が始まった十何年こういった形で続いてきてしまっているので自ずと対策をしてしまう。

こう話すのは石川県教職員組合の谷内直執行委員長。

2007年、43年ぶりに再開された全ての児童・生徒を対象にした全国学力テスト。当初から自治体間の競争をあおるといった懸念があった。

こうした中、2022年春に就任した馳知事から飛び出したのが

馳知事:
学力テストは順番を決めるためにスタートしたのではありません。学力の中には人間力も入ってくるという認識を持っています。学力テストに振り回されることのないよう文科省に強く求めたいと思います。

一連の知事の発言を受け、県教育委員会は正答率を上げることだけを目的としないよう現場に通知したと言いますが…。

谷内直さん:
今年はどうだとはっきり述べることは出来ませんが、事前対策のような過去問のようなことをしないようにと通知が出ているようですし、すごく注意をしていると思います。

ただ谷内委員長は、根本的な解決にはつながっていないと話す。

谷内直さん:
もう町のアピールポイントにもなってしまっているという状況からは根が深いなって思いますし、もうテストをやるかやらないかぐらいの所にきているんじゃないか。こんだけヒートアップしているのは今全国で一部の県だけだということも付け加えさせて頂きたい。「石川県やり過ぎでしょう」って言われています。

(石川テレビ)

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