あと1か月余りに迫ったG7広島サミットを前にAI(人工知能)カメラがJR広島駅に導入される。防犯システムへのAIの利用が進んでいるが、どんなシステムなのかを取材した。

ナイフなどの危険物を形で感知

五十川裕明記者:
いま、ご覧いただいているのは防犯カメラの映像です。改札に見立てたショールームで胸元からおもちゃのナイフを防犯カメラに向かって差し出しました

五十川裕明記者
五十川裕明記者
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五十川記者:
すると、どうでしょう。赤いマーク。すぐに異変を検知しました

モニターの映像
モニターの映像

セキュリティー強化の切り札にと、G7広島サミットの期間中、JR広島駅の新幹線改札付近に設置されることになったのがこのAIカメラ。

AIに怪しい行動や危険な物体を事前に学習させ、異変を察知する仕組み。

JR西日本鉄道本部イノベーション本部 技術収益化・知財戦略課長 井上正文さん:
人の目でずっと監視をするというのも限界があります。そういった隙間の部分をこういったAIの機能で補完をするということで役に立てたいという風に考えています

中四国一の利用者数のJR広島駅。今まで酒に酔った人の転落防止など、安全対策として関西の主要駅のホームにAIカメラが取り付けられた例はあったが、行事に合わせた警備で設置されるのは、JR西日本では初めて。

人で混雑する中で、どれほどの精度で異変に気づくことができるのか。

置いたままのカバンも不審物と感知 リアルタイムでアラートを出せる

五十川記者:
カメラの前を通ります。その後ろを人が通りますけれども、しっかり赤いマーク・異常を検知しています。意地悪かもしれませんが、人の後ろに行ったら、どうでしょうか。しっかりと赤いマークが灯っています。異常を検知しています

すべての性能は明かせないとのことだが、カバンを置いたままその場から立ち去っても・・・不審物と認識する。

このシステムは、広島市に本社を置き、セキュリティーゲートや金庫の製造などを手がける熊平製作所が協力し、リアルタイムで異変を知らせる技術が実現した。

熊平製作所・製品開発部 村田正和さん:
防犯セキュリティー・カメラシステムは、今までは録画中心、何か起こったあとに確認するということだったが、リアルタイムなセキュリティー性が高いシステムを提供していくことができればいいなと考えています

JR西日本では、他にも主要駅で警察と協力し危険物探知犬を配備させるほか、コインロッカーとゴミ箱を使えないようにするなど、サミット期間中は「過去最高クラス」の厳戒態勢で臨むという。

JR西日本 井上さん:
伊勢志摩サミットのときと比べ、精度の部分で進歩している部分はありますし、その後、色々と国内で危険物等を振り回す不幸な事故もありましたので、そういったものに対して、我々公共交通機関としても、対策に万全を期すということで取り組んでいる次第です

今後、私たちの生活のあらゆる場面にAIが関係していくことになりそうだ。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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