5月のG7サミットのメイン会議場は広島市内の島にあるホテル。サミット期間中はバス、路面電車の一部運休や宮島へ一般人が入れなくなるなどの規制が敷かれる予定だ。そんな中、メイン会議場近くの住宅地には臨時の派出所が置かれ、二人の警察官が住民の不安を解消すべく奮闘している。

メイン会場のホテルがある元宇品町には1500人が暮らす

自転車に乗って現れたのは、広島県警の河野貴史警部補と前田紋菜巡査長。

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2人は、元宇品町(もとうじなまち)に3月に設置された臨時の派出所の警察官。

河野貴史警部補:
一番初めは開所式で非常に緊張してましたが、1か月経ってだいぶ慣れてきました

サミットのメイン会場となるのは、広島市南区・元宇品町。

広島湾の南のこの小さな島には、735世帯1500人が暮らしている。

この地域は人や車の出入りをチェックしやすく、サミットで各国要人が集まるときに警備がやりやすいというメリットがある。2人の警察官は、サミットが終わった後の6月2日まで、地域のパトロールや住民の要望や不安に寄り添うという。

河野警部補:
元宇品町の地域の方と力を合わせてG7広島サミットに向け一生懸命頑張っていこうと思います

3月1日 臨時派出所開所式
3月1日 臨時派出所開所式

派出所が設置されているのはサミットのメイン会場のホテルからおよそ700メートル離れた所で、地元住民が暮らしている場所だ。

元宇品町臨時派出所
元宇品町臨時派出所

河野警部補:
元宇品の町自体が、そこまで広くはないので自転車で1周しても1時間もあれば十分まわれる

サミット期間中の交通規制の情報提供も

パトロール中、積極的に住民の声に耳を傾ける。
住民:
サミット期間中、病院に行ったり、バスがここまで入ってきて、乗れるのかどうかとかみんな心配している

住民からの疑問にパンフレットなどを使って丁寧に説明し、派出所の活用も呼びかける。

前田巡査長:
バスとか路面電車も交通規制の対象になっていて、減便したりダイヤが乱れたりする可能性がある。県警のホームページに正確な情報がのっているので、見ていただくよう案内している。

河野警部補:
知り合いや友人の方でも心配されている人がいれば、派出所に来ていただいてもいいです。
いつの期間から島への出入りが難しくなるのかとか、そういうところを皆さん非常に心配している。現時点でわからないことも多々あるんですが、わかる範囲で不安を解消できるように努めている

住民:
警察官が歩いているでしょ。あれだけでも気分的には安心できますよね

住民:
なにかあっても近くで相談できるでしょ。遠くまで行かなくてもいい。すごく気分は安心している

「今は日本一安全な島」地域住民との交流も進む

この町に長年住む町内会長も太鼓判を押す。
元宇品町内会・門隆興会長:
派出所に地域の人が訪ねていったりすることがあると思います。2人に話をしやすいんじゃないかな。今は日本一安全な島かな

一方、メイン会場となるホテル周辺を歩いてまわり、異常がないか念入りにチェックするのも2人の仕事だ。
河野警部補:
植え込みとか海の状態とか、不審物があるかないかを見ながら、警戒しながらまわっています

派出所ができて1か月。地域の人との交流も深まりつつある。
河野警部補:
小学校の周辺を警らしたり、声をかけたりしていたんですよね。そしたら教頭先生が「ありがとうございます」と卒業式で使ったお花を飾って下さいともってきてくれた。日頃の業務が身を結んだと感じた

サミット開催までおよそ1か月半。
住民の不安を解消し、地域の安全を守る任務が続く。
前田巡査長:
住民の皆さんにも不安な思いもあると思うんですけど、私たちが少しでも和らげることができたらなという思う。これからサミットの成功に向かって頑張っていきたい

河野警部補:
地域の皆さんの安全安心を守りながら、さらにG7広島サミットの完遂に向けて2人で力を合わせて頑張っていきたいと思う。気軽に派出所に来て頂ければと私たちウェルカムで待ってます

こちら「元宇品町臨時派出所」!
2人の警察官は地元住民と協力し、サミットの成功を目指す。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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