東京・新宿歌舞伎町に、様々なエンタメ施設を集結させた超高層ビルが14日にオープンする。

「東急歌舞伎町タワー」は、地上48階、地下5階の複合施設で、映画館「新宿ミラノ座」の跡地に建設された。

茅野朝子記者:
入り口を入ると、まさに歌舞伎町を体現したような、きらびやかなフードホールが出迎えてくれます。

「東急歌舞伎町タワー」2階にあるのはエンタメとフードホールを融合させた「新宿カブキhall~歌舞伎横丁」。ここでは、全国各地のソウルフードを“24時間”楽しむことができる。

「好きを極める」をコンセプトに、タワー上層部は2つのホテル、下層部は様々なエンタメ施設で構成されている。

4階にある体験型アトラクション施設「THE TOKYO MATRIX」では、アニメの世界に入り込んだような空間で、ミッションをクリアするゲームに挑戦できる。

さらに、地下1階から4階には、最大1500人を収容できるライブホール「Zepp Shinjuku(TOKYO)」が設けられている。

夜はクラブとして活用されるなど、新宿・歌舞伎町ならではのナイトエンターテインメントの発信にも力を入れていく。

東急歌舞伎町タワーは、14日(金)にオープンする。
ナイトタイムエコノミー復活か
「Live News α」では、市場の分析や企業経営に詳しい経済アナリストの馬渕磨理子さんに話を聞いた。
堤 礼実 キャスター:
東京・新宿の新たなランドマークとなる「歌舞伎町タワー」、いかがですか。

経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
エンターテインメントに振り切り、みんなの「好き」を集めたタワー。なにかワクワクしますよね。
再開発というと、オフィスと商業施設の組み合わせが一般的ですが、その立地からオフィスはなく、「にぎわいの創出」を狙った商業施設になっています。
堤 礼実 キャスター:
経済が再び回り始めたタイミングでのオープンとなり、地域の活性化につながるといいですね。
経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
コロナ禍で一番被害を受けたのは、商業施設でした。ある意味、歌舞伎町タワーの成功は経済再開の試金石となりそうです。
ポイントは「インバウンド」をどう取り込むかで、プレミアム感を強く打ち出しており、海外から訪れる富裕層の受け皿となりそうです。
例えば、インバウンドの一人当たりの消費額は、約21万円となっていますが、この歌舞伎町タワーには「ハイ」と「ミドル」、2つのホテルがあり、一方のラグジュアリーホテルには、1室315万円の部屋も用意されています。
また、映画館は日本初となる全スクリーン、全席プレミアシートのシネコンです。さらに地下には音楽・DJを楽しめる施設もあります。
コロナ禍によって失速をしいられた、ナイトタイムエコノミーの復活にも寄与しそうです。
タワーは「コト消費型の観光拠点」に
堤 礼実 キャスター:
そのナイトタイムエコノミーで、歌舞伎町タワーはどんな役割を期待されているのでしょうか。

経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
夕方18時ごろから翌朝6時までの夜間に盛り上がる経済活動を、「ナイトタイムエコノミー」といいます。
コロナ禍前のニューヨークでは2.1兆円の経済効果があり、19万人の雇用を生み出していました。
歌舞伎町タワーは「コト消費型の観光拠点」として、再び動き出したナイトライフ需要に応えるはずです。
新宿・歌舞伎町は、アジア最大級の歓楽街とされ、ジェンダーレスで多様性のある懐が深い街です。人間の根源的な欲望を満たす街だからこそ、人々を惹きつけるのかもしれません。
歌舞伎町タワーは、社会的価値を創出する“東急ならではのまちづくり”を、まさに体現していて、周辺地域一帯での盛り上がりが期待できそうです。
堤 礼実 キャスター:
このタワーの主なターゲットとしては、「好きを極める客層」ということです。
エンターテインメントやアートを通して、新宿・歌舞伎町という街を知ったり、楽しんだりする。そういったことが、地域の活性に繋がっていけばいいなと思います。
(「Live News α」4月6日放送分より)